ニューロフィードバックとネットワーク

2022年2月21日

脳内には6から8個の巨大ネットワークがありますが、その中で以下の3つがTriple network(2011年、Menon)と言われており、認知、感情、心理機能の中心を担ってます。

1. 瞑想、ぼんやりしている時、休んでいる時に活発になるネットワークがデフォルドモードネットワーク(default mode network、DMN)です。DMN は、内側前頭前野 (medial prefrontal cortex、mPFC)と後部帯状回 (posterior cingulate cortex、PCC)に存在します。

2. 仕事や家事や勉強などを実行している時に活発になるネットワークがセントラルエグゼクティブネットワーク(central excecutive network、CEN)です。CENは、背外側前頭前野 (Dorsolateral Prefrontal Cortex、LPFC) お よ び 後部頭頂葉 (Posterior Parietal Cortex、PPC) を中心に位置します。

3. この2つのネットワークの切り替えを行っているのが、サリエンスネットワーク(salience network、SN)です。前帯状回(anterior cingulate cortex、ACC)と島皮質(insular)に位置します。

CENは、情報を保持しながら操作を同時に行うワーキングメモリや、プランニング、抑制、更新、注意の配分といった実行系機能に関係します。 CENは呼び方やどの領域を含めるかに関して研究者間で違いが見られ、ワーキングメモリネットワーク(working memory network、WMN)、前頭−頭頂ネットワーク(Frontal-Parietal Network : FPN)、実行系ネットワーク(Executive network)などとも呼ばれます。

■脳波のニューロフィードバック

脳波のニューロフィードバックは主にサリエンスネットーワークの前帯状回(ACC)のあるFZかCZ でトレーニングを行います。10-20法では以下の場所です。

脳波のニューロフィードバックは、特に意識をすることなく無意識的にトレーニングを行うことが特徴です。脳波が自動的、自己調整的に改善されます。

■脳活動に対するNIRS(近赤外分光法)のニューロフィードバック(Active Brain Club

脳活動に対するNIRSのニューロフィードバックでは、左のセントラルエグゼクティブネットワークの背外側前頭前皮質(DLPFC)の左マユの上でトレーニングを行います。

DLPFCへのNIRSのニューロフィードバックは、計算を行うなど意識的にトレーニングを行います。

社会不安障害に対してDLPFCへのNIRSのニューロフィードバックの有効性が報告されています。(2019年、Kimmingら

■瞑想を行うNIRS(近赤外分光法)のニューロフィードバック(Stress Maneger

瞑想を行うNIRSのニューロフィードバックでは、デフォルトモードネットワークの内側前頭前野(mPFC、medial prefrontal cortex)の額の中央でトレーニングを行います。

瞑想へのNIRSのニューロフィードバックは、リラックスした状態で半眼にして呼吸を数えるなど意識的にトレーニングを行います。

脳波にて開眼したときにalpha waveが抑制されるalpha blockingは、DMNで外からの刺激に対して抑制されるTID(Task induced deactivation)は同じ現象であると考えています。(2011年、Knyazevら

■瞑想を行う脳波のニューロフィードバック

瞑想を行う脳波のニューロフィードバックとして、Alpha Theta trainingがあります。

デフォルトモードネットワークの中心的な機能を担っている後部帯状回(PCC、posterior cingulate cortex)のあるPZで主に実施します。10-20法では以下の場所です。

脳の基礎律動であるα波はPZ付近を中心に出現します。ぼんやりすると、このα波のスピードが下がりθ波からδ波になって睡眠となります。アルファシータトレーニングでは、デルタ波を出させずにシータ波とアルファ波を出させることによって、入眠はしないけど、ぼんやりする状態を作り出します。瞑想では、シータ波とアルファ波が増えることが報告されています。(2009年、Lagopoulosら

この脳波トレーニングは、リラックスした環境で行いますが、無意識的にトレーニングを行います。

■うつ病に対する治療

光トポグラフィー(NIRS)の検査では、うつ病では左背外側前頭前皮質(DLPFC)での脳血流の低下が指摘されています。このDLPFCに対してTMS(磁気刺激治療)が推奨されています。(当院では実施していません)

当院で実施しているLENS(low energy neurofeedback stimilation)は、うつ病に対して電気刺激を与えることによって、セントラルエグゼクティブネットワークを改善します。脳波の10-20法のF3で実施します。メカニズムはTMSや電気けいれん療法と同じです。

LENSは名前にはneurofeedbackが入っていますが、フィードバック療法ではなく刺激療法で、短時間で腕時計の1000分の1程度の微細電流を与える治療です。