内的家族システム療法〜理論編2

2022年5月10日

内的家族システム療法私の中に住む人たち: IFS(内的家族システム)へのお誘いNo Bad Partsのまとめと考察の続きです。

IFSの全体像は、3つの要素で構成されています。

1.セルフ:システム全体のまとめ役であり、パーツ以外のものです。

2.防衛者:追放者の周囲に存在して、追放者の負の感情でシステム全体が圧倒されないように防衛します。フラッシュバックが起こる状況を避けるために、先回りして日常生活の世話を焼く管理者と、自分が脅かされた時にトラウマの再体験を防ぐために出てくる、火消し役の消防士の2種類があります。名前は消防士ですが、問題行動や逸脱行為を行う役割が消防士です。

3.追放者:トラウマを抱えた幼いパーツ、激しい負の感情を持つので、防衛者から存在しないことにされる、つまり追放されたように扱われます。インナーチャイルドと同じ意味です。

健常者では、管理者が時に前面に出ていることがありますが、基本的にはセルフとパーツが繋がり、セルフのリーダーシップの元で日常生活を送ります。

トラウマの深い人ほど管理者と消防士の役割が大きくなり、セルフの存在が希薄になり、セルフとパーツの繋がりがない状態です。

防衛者の管理者と消防士の役割は、どちらもトラウマの再体験を防ぐことですが、実際の行動は真逆であり、意見の食い違い、対立が起こります。(二極化)この対立がシステム全体の消耗に繋がります。

セルフから防衛者のそれぞれの貢献が認められると、追放者を防衛する極端な役割を手放して、追放者をセルフに委ねて、防衛者はシステムの中で別の役割を見つけて行きます。

■IFSのゴールは、3段階になっています。この順番、手順を守ることがポイントです。

①クライアントが自分の防衛パーツを認識します。

②クライアントのセルフが防衛パーツとの断絶している関係を回復して、追放者のトラウマを扱う許可を得ます。

③追放者のトラウマを癒やします。(救済)

最新本では、IFSの4つの基本的ゴールが掲載されています。

1.パーツの強いられた役割から開放させ、本来の役割に戻します。

2.セルフの信頼とリーダーシップを回復させます。

3.内的システムの調和を取り戻します。

4.クライアントの社会との交流をよりセルフリードにさせます。

■クライエントがセルフのエネルギーにアクセス出来るか?(セルフとパーツの繋がりはあるか?)

IFSの唯一の目的は、クライエントがセルフのエネルギーにアクセスすること(セルフがパーツと繋がり、セルフの手のひらにパーツを包み込む)をサポートすることです。

重度のトラウマを抱える方や多重人格障害の方ほど、セルフのエネルギーにアクセス出来ない状態になっています。

その場合は、セラピストがセルフの代役をしばらく努めます。セラピストは神の資質(好奇心、明晰さ、思いやり、穏やか、自信、勇気、創造性、繋がり)を持って、クライエントと接して、セラピストのセルフとクライアントのパーツが繋がるようにします。

この場合は、内的会話(セルフを通じてパーツと会話)ではなく、ダイレクトアクセス(セラピストが直接パーツと会話)を用います。子供では、ダイレクトアクセスが一般的です。

クライエントがセルフのエネルギーにアクセス出来るか(セルフとパーツの繋がりはあるか)調べるためには、「あなた(クライアント)は、パーツに対してどう感じますか?」と質問します。

答えが神の資質(好奇心、明晰さ、思いやり、穏やか、自信、勇気、創造性、繋がり)を持ったポジティブな内容であれば、パーツとセルフの繋がりは良好で、セルフのエネルギーにパーツがアクセス出来る状態です。→そのままそのパーツとセラピーを続けます。

答えがニュートラルかネガティブであれば、アクセス出来ない状態です。

そのパーツに対して、怖がっているパーツ、批判的なパーツ、感謝できないパーツがいると考えられるので、そのパーツを扱うか、そのパーツに「少し脇に寄ってもらえますか?」「ちょっと離れていてもらえませんか?」と頼んでみます。(ブレンド解除)

ブレンド解除せずにそのまま、「あなたが出てきてくれて嬉しいです。私に何を知ってほしいですか?」、「もし〇〇パーツ(厄介なパーツ)が居なかったとしたら、〇〇さんはどうなっていたと思いますか?」と尋ねる方法もあります。