PCOSのサプリ〜ノコギリヤシ、ベルベリン
まとめ:ノコギリヤシとベルベリンはPCOSに対して有効なサプリメントです。
■ノコギリヤシ
ノコギリヤシ(saw palmetto)は、アメリカ南東部原産の低木のヤシです。男性の前立腺肥大に関連する排尿症状に対して効果があることが知られています。過剰な男性ホルモン作用を軽減する効果が期待できます。
コレステロールから作られる男性ホルモンは、テストステロンから酵素の5αリダクターゼによって、強力なジヒドロテストステロンに代謝されます。
このジヒドロテストステロンが過剰になると、男性型脱毛、前立腺肥大、PCOS、にきびなど起こるために、5αリダクターゼを阻害する治療があります。
5αリダクターゼを阻害する薬剤(デュタステリド、フィナステリド)は、ジヒドロテストステロンの増加を抑制するので男性脱毛症の治療薬として使用されています。
天然の植物抽出物のノコギリヤシ(Saw Palmetto Berries)も、5αリダクターゼを阻害して効果を発揮します。(2009年、Murugsumdrum)
この5αリダクターゼ阻害作用から、ノコギリヤシがPCOSに対して最も有効なサプリと考えられます。
ノコギリヤシは、男性型脱毛以外にも、前立腺肥大による夜間頻尿、PCOSにも使われます。
■ベルベリン
ベルベリンは植物由来の成分であり、マルチターゲット(抗がん、抗肥満、抗炎症、抗菌、抗加齢など)を持っています。漢方薬(黄連解毒湯など)やサプリとして広く使われています。
ベルベリンの薬理学的作用は、メトホルミンとよく似ておりPKC、AMPK、MAPK などの脂質およびエネルギー代謝におけるさまざまなエフェクターの調節を通じて作用して(2019, Feng)、PCOSへの有効性が報告されています。(2020, Rondanelli)
ベルベリン(berberine)は植物由来の成分であり、マルチターゲット(抗がん、抗肥満、抗炎症、抗菌、抗加齢、止痢作用(2020, Yu)など)を持っています。漢方薬(黄連解毒湯、小柴胡湯など)やサプリとして広く使われています。(2015, Yao)