再発性アフタ性口内炎のAMPKを活性化する自然治療

再発を繰り返す口内炎は再発性アフタ性口内炎(recurrent aphthous stomatitis, RAS)と言われ、鎮痛剤、抗生剤、ステロイドなど薬物療法(2014, Belenguer-Guallar)や栄養療法による治療がありますが、難治性であることが多いと言われています。

これら以外の治療に食物や漢方などによる自然療法があります。天然のAMPK活性薬による治療です。

■ケルセチン(Quercetin)

ケルセチン(Quercetin)は柑橘類、タマネギ、ブロッコリー、ワインなどに含まれる植物化学物質のひとつで、抗酸化作用、抗炎症作用、抗動脈硬化作用、脳血管疾患の予防、抗腫瘍効果、降圧作用、強い血管弛緩作用、が報告されています。(2015, Nishida)

ケルセチンは多くの果物や野菜に含まれています。リンゴ、サクランボ、ベリー、タマネギ、アスパラガス、レタスはケルセチンのレベルが最も高く、トマト、エンドウ豆、ブロッコリー、ピーマンはケルセチンのレベルが低いことが報告されています。 (2016, Costa)

ケルセチンの口内炎に対する有効性が指摘されており(2017, Kooshyar)(2010, Hamdy)、ケルセチンをベースにRASの治療を行うことが総論で提案されています。(2022, Tang)

サプリも販売されています。

ケルセチンは口内炎以外にも、高血圧(2010, Larson)、癌(2015, Filipa Brito)、肥満(2015, Nabavi)、脂肪肝(2012, Marcolin)などへの有効性が報告されています。

ケルセチンは、ANPKを活性化するメトフォルミンの同様の生理作用を持つことが報告されています。(2013, Dechandt)

ケルセチンは、ヒト ACE2 受容体および SARS-CoV-2 の酵素 (MPro、PLPro、および RdRp) の発現に対する阻害効果により、抗 COVID-19 活性を示すことが明らかにされています。(2022, Imran)

■半夏瀉心湯や黄連解毒湯などの漢方薬とベルベリン(Berberine)

日本での口内炎に対する漢方治療は、半夏瀉心湯の報告が6例されており最も多く、その他には黄連湯、黄連解毒湯、小柴胡湯、十全大補湯の報告が各1例あります。いずれも漢方に含まれる成分の抗酸化剤、抗炎症、鎮痛剤が作用していると総括されています。(2018, Sunagawa)

黄連解毒湯は、黄連(おうれん)、黄芩(おうごん)、黄柏(おうばく)、山梔子(さんしし)の4つの生薬からなる漢方薬ですが、この黄柏のRASに対する有効性が中国(2021, Shao)やイラン(2016, Hamedi)では報告されています。

黄柏の主要な成分のベルベリン(Berberine)も、ANPKを活性化するメトフォルミンの同様の生理作用を持つことが報告されています。(2018, Wang)

ベルベリンは強力な抗炎症、抗酸化、および抗ウイルス効果があり、抗SARS-CoV-2剤として利用できることが総括されています。(2022, Babalghith)

■その他

RASではビタミンDが欠乏しており(2020, Al-Maweri)、ビタミンDの補給によって改善することが報告されています。(2014, Staji)

ビタミンDも、ANPKを活性化するメトフォルミンの同様の生理作用を持つことが報告されています。(2015, Li)

中国で漢方薬として使われるルテカルピン(Rutaecarpine)は、抗炎症、抗酸化、血管拡張などの広範な薬理学的効果を持ち(2019, Tian)、RASに対する有効性が期待されています。(2022, Tang)

ルテカルビンも、ANPKを活性化するメトフォルミンの同様の生理作用を持つことが報告されています。(2016, Nie)

ルテカルビンは、新型コロナウイルスに対する有効性が指摘されています。(2022, John)

ルテカルビンは漢方薬の呉茱萸湯(ごしゅゆとう)に含まれています。

その他にも天然のAMPK活性作用のあるものは、レスベラトロール、クルクミン、エピガロカテキンガレートがあります。(2016, Kim)

RASと食物アレルギー(2010, Wardhana)やグルテンとの関係が指摘されており(2009, Shakeri)、グルテン除去食の有効性が指摘されています。(1981, Wray)

フレッシュフルーツジュースのRASに対する有効性が指摘されています。(2018, Kusuma)