オリゴスキャンでヨウ素過剰は、無汗症
オリゴスキャンでヨウ素が高値になっている方がおられます。
よくわからなくて頭をひねっていましたが、無汗症と関連しているようです。
人体でのヨウ素の70〜80%は甲状腺に存在して甲状腺ホルモンとなりますが、甲状腺以外でのヨウ素の役割などはほとんど解明されていません。
摂取されたヨウ素の90%は尿中に排泄され、尿中ヨウ素を測定することで食事性ヨウ素量を推定できますが(2016, Pearse)、尿排泄以外は汗で排泄されるために、激しい運動による発汗でヨウ素欠乏症を起こすことが報告されています。(2001, Mao)(2005, Smyth)
→逆に無汗症では、ヨウ素蓄積が起こる可能性があります。
無汗症は、世界的に見ても特に日本で報告されおり、アレルギー性機序の可能性が以前より指摘されており(1989年、村上ら)、最近では自己免疫疾患であることが指摘されています。(2021年、Kageyamaら)
ガイドライン(2017, Munetsugu)ではステロイド治療が推奨されていますが、ステロイドパルス療法の一年間での奏効率は73%、再発率は48%でした。(2021, IIda)
■好酸球増多が合併していることがあります
■低コレステロール血症が合併していることがあります
■発汗出来ないため、冬場でも常に薄着で過ごす傾向があります
■low T3症候群が合併していることがあります
■治療は簡単ではありません
1.ほとんどの方は完全な無汗症ではないので、発汗を促すために汗をかく運動やサウナを習慣化する方法があります。
low T3症候群対策として、代謝を上げる効果も期待できます。
2.アレルギーや自己免疫疾患の原因になっている可能性のある食物、環境要因をチェックします。
3.自前をステロイドを作るために、低コレステロール血症の治療を行います。
4.オリゴスキャンでヨウ素は、必須ミネラルのフッ素>コバルトと逆相関の関係にあります。コバルトが足りない方はビタミンB12を補います。
5.肌断食、髪断食を行って皮膚への化学物質の暴露を避けます。