ME/CFSと線維筋痛症

まとめ:ME/CFSと線維筋痛症は同一疾患と考えられます。

新型コロナ後遺症(2022, Tokumasu)(2022, Kocyigit)、ワクチン後遺症(2022, Manysheva)にて、ME/CFSや線維筋痛症が報告されています。

ロングコビットと呼ばれる新型コロナ後遺症では、ME/CFSとほとんどの症状が重なることが報告されています。(2021, Wong)

回復しない疲労(PEM)を特徴とするME/CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)と慢性的な全身の激しい痛みを特徴とする線維筋痛症(fibromyalgia, FM)は、症状にかなりの重複があり、ME/CFSと同様に、FMの症状には疲労が含まれ、ME/CFS 患者の最大70%が、FMの圧痛点診断基準を満たしています。ME/CFSとFMは同時診断されることも多く、これらは同じ疾患の異なる症状であると考えられています。(2021, Mckay)(1990, Goldenberg)(2019, Natelson)(2021, Toogood)

ME/CFSの合併症については、40~70% が線維筋痛症、75% が大うつ病性障害 (MDD)、15~20%がIBSと合併します。(2020, Anderson)

ME/CFSはうつ病が最も多い合併症であり(2011, Maes)、線維筋痛症ではうつ病を4分の1が合併し、生涯では約半数がうつ病に罹患することが報告されています。(2019, Løge-Hagen)

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群 (ME/CFS) および線維筋痛症 (FM)の多くに、関節過可動性症候群を合併することが報告されてます。(2021, Eccles)

ME/CFS および FM を持つ人は、どちらも運動後に痛みが増強することが報告されています。(2022, Barhorst)

線維筋痛症と重なる慢性疲労症候群にも注目し、FM 病因の 3 つの主要なリンク (自己免疫、神経炎症、および小繊維神経障害) 間の関係しています。これらの病理学的メカニズムは、FM と多くの共通点を持つ ME/CFS の病因にも関与しているその病因として「自己免疫性視床下部症」という概念を提唱しています。(2019, Ryabkova)

ME/CFSおよびFMの可能な治療に対して、マグネシウム、 L-カルニチン、 S-アデノシルメチオニンは、可能性が最も高い共通のサプリメントとして報告されています。(2010, Porter)