発達障害と植物性化学物質
まとめ:発達障害に有効な植物性化学物質として、スルフォラファン、レスベラトロール、クルクミン、ナリンゲニン、ルテオリン、ケルセチン、エピガトカテキンガレート、イチョウ葉エキス、アピゲニン、バイカリンなどがあります。これらは食事、サプリ、漢方薬で摂取することが出来ます。
これらの植物性化学物質は、すべてAMPKを活性化してオートファジーを促進します。自閉症の発症にAMPK-mTOR経路が関与していると考えられています。(2016, Chen)(2022, Ma)
Keap1–Nrf2 システムは、酸化ストレスや環境毒素に対抗する生体内の中心的役割を担っています。自閉症様行動は、酸化ストレス、炎症、およびミトコンドリア機能障害が関係していることから、このNrf2を活性化させる食事性植物化学物質(スルフォラファン、レスベラトロール、クルクミン、ナリンゲニンなど)が、ASD治療にとって安全で効果的な治療であると考えられています。(2020, Yang)
ケルセチン(2020, Sharma)、エピガロカテキンガレート(2007, Na)、イチョウ葉エキス(2019, Zhang)、アピゲニン(2020, Zhang)、バイカリン(2018, Fang)も、Nrf2を活性化します。
ルテオリンはNrf2阻害作用があり、抗癌作用を発揮することが報告されています。(2011, Tang)
脳腸相関、迷走神経を介して植物性化学物質が、ASDの脳に作用することが総括されています。(2022, Shanmugam)
ASD患者の気分、行動、認知、および記憶にプラスの効果をもたらす主要な植物性食品生理活性物質の二次元構造が報告されています。(2022, Shanmugam)
フラバン(flavan)の構造式を持つ植物化学物質は、植物の色素成分でフラボノイドと呼ばれ数千種類存在します。
ここでは、アピゲニン、ナリンゲニン、ルテオリン、ケルセチン、バイカリン、エピガトカテキンガレートがフラバン構造です。
フラバンの構造式を持つフラボノイドは、作用機序として亜鉛を利用していると考えられています。(2014, Dabbagh-Bazarbachi)(2020, Schetting)