糖尿病と動脈硬化
糖尿病では、最終糖化産物の蓄積、活性酸素の過剰産生、小胞体ストレス(2014, Howangyin)、脂肪細胞が放出する炎症性メディエーター(2019, Luiz)などによって動脈硬化が発症します。
小胞体ストレス(Endoplasmic reticulum (ER) stress)とは、正常な高次構造にフォールディングされなかったタンパク質(変性タンパク質; unfolded protein)が小胞体に蓄積し、それにより細胞への悪影響(ストレス)が生じることである。変性タンパク質が過剰に蓄積し、小胞体ストレスの強さが細胞の回避機能を越えると、細胞死(アポトーシス)が誘導され、神経変性疾患などさまざまな疾患の原因となると考えられている。
小胞体ストレスの反応はどの細胞でも起こるが、特にインスリンを産生するβ細胞では、小胞体ストレスの影響は大きい。 糖尿病の人では、小胞体ストレスによりβ細胞でインスリンを多量につくらなければならない状況に追いやられ、やがて破綻をきたして細胞死(アポトーシス)におちいり、β細胞は減りはじめると考えられています。
高ホモシステイン血症は、日本人の 2 型糖尿病患者における冠動脈硬化の危険因子であることが報告されています。(1999, Okada)
糖尿病では動脈硬化によって、細小血管障害で三大合併症(網膜症、腎障害、神経障害)が起こり、さらに進行すると大血管障害(脳梗塞、心筋梗塞、末梢動脈疾患)となります。(DMTOWN)
動脈硬化が進行して血栓を作り、脳梗塞や心筋梗塞を起こします。
下肢末梢動脈疾患から糖尿病性壊疽を起こすことが知られています。(特選街WEB)