肢端紅痛症の中医治療

肢端紅痛症(erythromelalgia)は、通常は下肢または手の血管が一時的に閉塞し、その後充血して炎症を起こす、まれな血管末梢痛疾患です。四肢末梢の紅潮、皮膚温の上昇、灼熱痛を三兆とします。四肢末端に灼熱感、激痛を伴う、びまん性の紅斑を発症します。

湿熱脾の運用作用が失われて湿熱が内生する。湿熱が足趾に下注して、絡に入り気血が凝滞して発症する。清熱利湿、活血通絡竜胆瀉肝湯加減
鬱火脾虚湿困から生じた火が鬱血して発症する。激痛で足を地面に付けることが出来ない。冷水で軽減養陰清熱、散火止痛解毒養陰湯加減

竜胆瀉肝湯加減:竜胆、山梔子、黄柏、生地黄、茯苓、忍冬藤、絲瓜絡(しからく、活血化瘀)、青風藤(せいふうとう、祛風湿)、牛膝、赤小豆(せきしょうず、利水滲湿)、薏苡仁、青皮

解毒養陰湯加減:南沙参(滋陰)、北沙参浜防風)、石斛(せっこく、滋陰)、玄参、乾地黄、天門冬、麦門冬、金銀花、蒲公英(ほうこうえい、たんぽぽ、清熱解毒)、丹参、黄耆、絲瓜絡、地竜、甘草

その他の経験方

犀黄丸:牛黄(ごおう、開竅薬)、麝香、乳香(活血化瘀)、没薬(活血化瘀)、黄米(おうべい、補気)飯

四妙勇安湯(玄参、金銀花、当帰、甘草) 加 紫花地丁(しかじちょう、清熱解毒)、地竜

涼血解毒湯:白芍、金銀花、玄参、牡丹皮、防風、川芎、麦門冬、生地黄、黄芩、山梔子、茯苓、白鮮皮

活血消炎丸:乳香、没薬、菖蒲、黄米、牛黄

玄参、生地黄、白芍、地楡(ちゆ、清熱涼血・収渋止血)、側柏葉(そくはくよう、止血)、牡丹皮、石膏、地竜、絲瓜絡

ワクチン後遺症における肢端紅痛症は、スパイクタンパク質が湿邪として痰熱侵淫となり起こります。治法は、加味二妙散に清熱生津のための薏苡仁(利水、清熱)・山薬・沙参(滋陰)・天花粉(清熱瀉火)・麦門冬を加えます。(実用中医内科学)

加味二妙散:当帰、防已、萆薢(ひかい)、蒼朮(祛風湿、燥湿、散寒)黄柏、午膝、亀板(各10)