無汗症の中医治療

無汗症は、全く汗が出ない無汗症（anhidrosis）と汗が少ない乏汗症（oligohidrosis）があります。

陰液虧損	肌の灼熱感、夏に発熱、手足心熱、兎糞様便	滋陰生津、和営益汗	増液湯　合　桂枝湯化裁
陽虚気弱	冷え症、腰酸	助陽益気、和営通腠	再造散加減
先天精乏	幼少期より無汗	補腎益精、和血調営	複方参地湯加減
寒閉腠理（そうり）	突然に発症する全身の無汗症、冷え症	散寒開腠、昇陽達表	桂麻各半湯加減

腠理（そうり）とは、「皮膚のきめ」のことで、腠理の開閉により発汗を調節します。

化裁とは、「病人の症状変化によって、薬の分量を変えること」です。

増液湯　合　桂枝湯化裁：沙参、生地黄、麦門冬、甘草、白芍、天花粉（清熱瀉火）、石斛（せっこく、滋陰）、玉竹（滋陰）、桂枝、杏仁（止咳平喘）、大棗

桂枝湯：桂枝、芍薬、甘草、生姜、大棗

麻黄湯：麻黄：桂枝、杏仁、甘草（麻黄と杏仁の対薬で、肺気の宣発・粛降にして止咳する）

（※エキス剤を無汗症に使うなら、麻黄湯、桂枝湯）

再造散加減：党参、黄耆、甘草、桂枝、細辛、川芎、羗活、防風、製附子、赤芍、桔梗

複方参地湯加減：党参、生地黄、菟絲子、黄精（おうせい、滋陰）、山薬、仙霊脾（せんれいひ、助陽、淫羊藿）、甘草、枸杞子、女貞子、巴戟天、何首烏

桂麻各半湯加減：麻黄、桂枝、白芍、桃仁、甘草、浮萍（ふひょう、辛涼解表）、大棗、葱白（そうはく、辛温解表）