自家感作性皮膚炎の中医治療
自家感作性皮膚炎とは、体のある部位に生じた皮膚病変が細菌感染などによって急激に悪化し、離れた他の部位にまで広がって紅斑、丘疹、膿疱、貨幣状湿疹などが現れる皮膚炎のことです。これらの皮疹は全身に広がり、非常に激しいかゆみを生じるのが特徴です。元となる皮膚病変としては、種々の皮膚炎、細菌や真菌感染、熱傷などが挙げられます。掻きむしったりすることで、病変部位の変性したタンパク質や細菌・真菌の成分などがアレルゲンとなって、全身にアレルギー反応を起こすという説があります。現代医学でも病因は解明されていません。肥満細胞活性化症候群との関連が疑われます。
中医学では、「濁瘡」と呼ばれます。
| 証型 | 症状 | 治則 | 処方 | |
| 湿熱 | 左右対称性の皮膚炎、便秘 | 清熱利湿 | 竜胆瀉肝湯加減 | 竜胆草、柴胡、黄芩、生地黄、山梔子、車前子、沢瀉、木通、当帰、甘草 加 黄柏、牛膝、莪朮、蒲公英(ほこうえい、清熱解毒)、紫花地丁(しかじちょう、清熱解毒)、馬歯莧(ばしけん、清熱解毒) |
| エキス竜胆瀉肝湯 | ||||
| 脾虚湿盛 | 食欲不振、軟便または下痢、倦怠感 | 健脾利湿、活血通絡 | 除湿胃苓湯加減 | 蒼朮、厚朴、陳皮、猪苓、沢瀉、茯苓、白朮、滑石、防風、山梔子、木通、肉桂、甘草 加 牛膝、薏苡仁、三稜、莪朮 |
| エキス竜胆瀉肝湯+胃苓湯 | ||||
| 血熱熱毒 | 明らかな浮腫と灼熱感を伴う紅斑、時に発熱 | 清熱涼血、祛湿解毒 | 清瘟(せいうん)敗毒飲加減 | 生地黄、黄連、黄芩、牡丹皮、石膏、山梔子、竹葉(清熱瀉火)、玄参、水牛角(清熱涼血)、連翹、赤芍、知母、桔梗、甘草 |
| エキス竜胆瀉肝湯+五味消毒飲+清営顆粒 | ||||
| 脾虚肝鬱 | 煩躁、焦燥感、食欲不振、下痢、痩せ型に多い | 健脾疏肝、利湿止痒 | 柴芍六君子湯加減 | 柴胡、芍薬、人参、白朮、陳皮、半夏、茯苓、甘草、釣藤鈎 加 枳穀、薏苡仁、厚朴、白鮮皮、黄芩、蒼朮 |
| エキス逍遥散、六君子湯、竜胆瀉肝湯 |
■とびひ(膿痂疹):化膿性の浅在性の皮膚感染症で黄色い痂皮を伴う病変が次々と周囲へ広がる。自家感作性皮膚炎は左右対称が多い。
| 湿熱交蒸 | 下肢に好発。瘙痒>疼痛。 | 舌紅、苔薄黄、脈儒数 | 黄連解毒湯加減 | 黄連、蓮心、黄柏、黄芩、蒼朮、茯苓、牛膝、蒲公英、忍冬、紫花地丁、薏苡仁、車前子 |
| 気血不和 | 水疱+膿疱。顔面蒼白。 | 舌淡紅、苔白、脈沈細かつ数 | 四物湯加味 | 当帰、白芍、天門冬、麦門冬、人参、黄耆、生地、薏苡仁、白朮、川芎、甘草、柴胡、金銀花、白花蛇舌草 |
| 継感毒熱 | 掻爬行為で広がる。 | 舌紅、苔少、脈数 | 五味消毒飲加減 | 金銀花、蒲公英、紫花地丁、当帰、赤芍、陳皮、羌活、防風、蒺藜子、白花蛇舌草、天花粉 |

