薬対:生姜と大棗

生姜と大棗:和胃補益、営衛調和

生姜辛温解表微温肺、脾、胃散寒解表、温胃止吐、化痰行水、解毒傷陰助火するので、陰虚火旺や瘡瘍熱毒には使わない
大棗補気微温脾、胃、心、肝補脾和胃、養営安神、緩和薬性助湿生熱し中満を引き起こすので、湿盛の脘腹脹満、食滞、痰熱咳嗽には使わない

薬対によって、生姜の刺激性が緩和されて、大棗の気壅到腫の弊害がなくなり、食欲・吸収を亢進する。

他薬と配合すると、吸収を促進して、特に補益薬の効果を高める。

生姜が衛気を助けて発汗し、大棗が営血を益して発汗による傷労を防止して、営衛を調和する。

営衛(営気と衛気)を調和して、脾胃を調整する。

気の分類
原気(元気)先天の気腎の貯蔵された先天の精から化生した気で、生命活動の原動力
宗気後天の気胸中飲食物から得られる水穀の精緻と呼吸により得られる清気が合わさり、化生される気で、心肺の活動を支える
営気後天の気脈内(血管内)栄養分を持ち、栄養を供給
衛気後天の気脈外(血管外)汗腺の開閉を行い、外邪の侵入を防ぎ、体温を調整、発汗を調整

桂枝湯(傷寒太陽病)、大青竜湯(傷寒太陽病)、炙甘草湯(傷寒、肺痿(肺結核)、陰陽両虚)、参蘇飲(外感風寒)、六君子湯(脾虚気弱)、平胃散(寒湿困脾)、帰脾湯(心血虚+脾気虚)などに使われます。