カフェインと不安・うつ・眠気

まとめ:カフェインはパニック発作・不安を誘発しますが、うつ病に対しては保護的に作用します。昼間の覚醒効果については、カフェインによる睡眠不足を解消するための依存性の摂取行動と考えられています。

カフェインは、パニック障害の患者に対して用量依存性に不安症状を発現することが知られています。(1985, Charmey)

メタアナライシスにて、コーヒー5杯分とほぼ同等の量のカフェインがパニック障害患者の多くにパニック発作を引き起こし、この患者群と健康な成人を著しく区別します。カフェインはこの量の摂取でパニック障害患者だけでなく健康な成人でも不安を増大させます。(2022, Klevebrant)

メタアナライシスにて、コーヒーや紅茶に含まれるカフェインが、うつ病のリスクに対して保護効果があることを示唆されています。コーヒーでは、1日400ccの摂取が、保護効果のピークになります。(2016, Grosso)

カフェインは、アデノシン受容体を拮抗することによって、不安を誘発します。(2022, Verma)

カフェインは覚醒作用が知られていますが、実際にはカフェイン依存症からのカフェイン離脱作用による日中の眠気を解消するために、カフェインを常用することが指摘されています。(2008, Roehrs)

カフェイン摂取が身体機能と認知機能の両方に与えるさまざまなプラスの影響が強調されていますが、翌日のパフォーマンス向上は、単にカフェインの離脱症状の回復の結果です。(2018, O'callaghan)