水銀のデトックス2
まとめ:水銀のデトックスは以前に自然な解毒法を記事にしました。体内に存在するミネラルは強い相関関係があり、キレート剤による解毒は、必須ミネラルの喪失などが懸念されます。一方で、薬物による積極的な解毒方法も報告されています。
1.チオブロニン(Tiopronin)
チオプロニンは、チオラという商標名で、シスチン尿症(尿細管における遺伝性の異常であり,シスチン(アミノ酸であるシステインのホモ二量体)の再吸収が障害されることで,その尿中排泄が増加する結果,尿路内にシスチン結石が形成される。 症状は,結石とおそらくは尿路感染症です。)患者のシスチンの沈殿と排出の割合を調整するための処方薬として用いられます。
また、水銀中毒時の水銀の解毒に対しても保険適応があります。
シスチンはグルタチオンの元となるシステインと、酸化還元反応の関係にあります。
つまり、チオブロニンを服用すると体内のグルタチオン濃度が下がることが懸念されます。その他にもチオール基に反応する必須ミネラルなどが喪失する可能性があります。
水銀の解毒に関してチオブロニンの優位性が指摘されています。(澤登)
2.DMPS(メソ-2,3-ジメルカプトコハク酸)
1対1のDMPS―金属の錯体の平衡定数は、次の順位で低下します。Hg2+ (水銀) > Ag (銀) > CH3Hg+ (メチル水銀) > Cd2+ (カドミウム) > Cu2+ (銅) > Pb2+ (鉛) > Zn2+ (亜鉛)。 DMPSと金属の錯体は近いSH グループに属すので、DMPSは硫黄蛋白質(メチオニン、システイン、シスチン)に結合しやすい重金属と親和性があります。一度金属イオンがDMPSと結合すると、安定した複合体が生成されます。また結合されると、金属の毒性が低下し、本質的な生体構成要素、例えばある種の酵素(器官と細胞の機能不全をもたらすような)、を持つメルカプト基に結合する事が出来なくなります。DMPSは水銀、砒素、アンチモニー、ビスムス、鉛、カドミウム、コバルト、銅、銀と結合します。次のイオンを持つ化学合成は弱いものです:金、鉄、マンガン、モリブデン、タリウム、タングステン、亜鉛。DMPSはカルシウム、マグネシウムとは反応しません。臨床で使われるDMPS によって、亜鉛と銅の排泄が増える事が認められました。(ドクターズデータ、キレーション治療)