新型コロナ・ワクチンと脳波異常

新型コロナワクチン後遺症の合計36人の脳波の報告がありました。全般性徐波化と局所性てんかん波が、最も一般的なEEG所見でした。最も頻繁に見られた症状は、頭痛、倦怠感、全身の脱力、嘔吐でした。さらに、最も一般的な徴候は、脳症、発作後相、混乱でした。脳炎、急性散在性脳脊髄炎、ワクチン接種後脳症は、最も一般的に診断された有害事象でした。(2023, Fazlollahi)

新型コロナ感染後の脳波変化については、363件の研究報告をまとめた結果として、全般性徐波化(92.3%)とてんかん様放電(20.3%)でした。これらは脳炎を発症している可能性を示唆します。一方で、てんかん性発作波(2.05%)と低値でした。新型コロナ患者がてんかん発作を起こす確率は0.08〜0.5%と低値です。以上から、新型コロナ感染では臨床的なてんかんを発症することは少ないと考えられます。(2021, Kubota)

ブレインフォグを呈する新型コロナ感染後遺症(ロングコビット)患者において、開眼の安静時脳波は、徐波化は認められませんでしたが、アルファ波の活動性の低下が認められました。(2024, Babilini)

新型コロナ後遺症では、様々な脳波異常が報告されており、ニューロフィードバックによる治療の可能性があります。(2021, Kopańska)