DMSOとワクチン後遺症治療

まとめ:アメリカのワクチン後遺症ガイドライン(IMA、旧FLCCC)には組み込まれていませんが、疼痛やブレインフォグに対して、今後期待できる治療として注目されています。(2025, Sareeby)

ジメチルスルホキシド (Dimethyl sulfoxide、DMSO)は、水やアルコールのように溶剤(他の物質を溶かす物質)のひとつで、多種類の物質を溶かすことから万能溶剤と呼ばれています。

捻挫やリウマチなどの疼痛を伴う整形外科疾患に劇的な効果を持つことで知られています。その後は、鎮痛作用以外にも、消炎作用、抗菌作用、抗精神作用などが報告されました。しかし、一時期は水晶体に対する毒性が指摘されていましたが、現在は否定されており、安全性の高い薬剤です。()

新型コロナウイルス感染症に対しては、ヨウ化亜鉛と組み合わせた治療薬としての有効性が報告されています。(2020, Hoang)

DMSOは、ALSのモデルマウスで生存率と運動機能を回復させます。(2022, Park)

DMSOは、アルツハイマー病のモデルマウスにおいて、空間記憶、嗅覚感度を改善し、不安関連行動を改善します。(2017, Penazzi)

網膜神経細胞株を用いたin vitro毒性試験では、DMSO濃度1% (v/v)超で毒性が確認されました。最近、10% (v/v)を超えるDMSO濃度は、細胞膜に孔を形成することで細胞毒性を引き起こすことが報告されています。(2013, Galbao)

DMSOの副作用に関しては、低用量であれば安全に使用できると総括されています。(2019, Madsen)

DMSOは、医学界での最も強力なフリーラジカルスカベンジャーとして知られており、脳血液関門を通過することから、脳損傷の治療への効果が期待されています。(医師のためのDMSOハンドブック)

DMSOは、ウイルス感染症、特に帯状疱疹(ヘルペス)と単純ヘルペスに対して顕著な効果を示します。ウィリアム・キャンベル・ダグラス博士による帯状疱疹患者46名を対象とした臨床研究では、皮膚病変部に50~90%の濃度でDMSOを塗布したところ、顕著な効果が示されました。(医師のためのDMSOハンドブック)