グルテンよりもフルクタンが問題
(2020年8月20日の記事を加筆修正しました。)
グルテンフリーダイエットは、先進国では常識になってきていますが、小麦の問題はタンパク質のグルテンだけではなくて、フルクタンという糖質も問題です。

フルクタンはフルクトースが複数で重合したもので、高FODMAP食の小麦、たまねぎ、豆類などに多く含まれています。サプリメントではイヌリンがフルクタンです。(2016, Ziegler)
また過剰に摂取されたフルクトース(いわゆる「過剰フルクトース」)のみが結腸に到達し、FODMAP概念に組み入れられました。世界各地における1日あたりの平均フルクトース摂取量は11gから54gの範囲ですが、人口の半数近くが25gの摂取量を完全に吸収することができません。(2007, Gibson)
フルクタンは、現代病の象徴とも言えるSIBO(小腸に腸内細菌が異常増殖して、ガス、お腹の張りなどの腹部症状が出る疾患、自己免疫疾患に繋がる可能性があります)の原因のひとつです。

2018年にSkoidjeらは、腹部の不快症状の原因はグルテンではなくフルクタンであると報告しています。
2011年にBiesiekierskiらは、グルテン過敏症のない患者がフルクタンによって胃腸症状を引き起こすことを示唆しています。

小麦製品、乳製品は問題が多いので、出来るだけ減らすのが原則です。
腹部症状がある人は、WPCホエイプロテイン、食物繊維のサプリ、プロバイオティクス、発酵食品が原因となってSIBOを起こしている可能性があるので、見直しが必要です。
オート麦、大麦、小麦、ライ麦の順にフルクタン含有量が増加します。(2021, Abdi)