新型コロナとアスピリン
まとめ:新型コロナ感染症、後遺症、ワクチン後遺症に対してアスピリンの有効性はまだ結論が出ていません。
アメリカの有志の救急救命専門医によって結成されたFLCCC(Front Line COVID-19 Critical Care Alliance)が出している治療プロトコルにて、アスピリンは新型コロナ感染症、後遺症、ワクチン後遺症に推奨されています。
メタ分析には、合計 34,415 人の患者を対象とした 7つの研究にて、アスピリンの使用は、COVID-19 患者の死亡リスクの低下と有意に関連していました。しかしながら、COVID-19 患者の血栓症と出血の発生率に対するアスピリンの影響を明確に示すことはできませんでした。(2021, Wijaya)
COVID-19の検査を受けた 22,072人の症状のある患者を評価しました。アスピリンまたは非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)による治療とCOVID-19の血栓症の転帰との関係を調べました。アスピリンもNSAIDsもCOVID-19の死亡率には影響しませんでした。ただし、アスピリンとNSAID療法の両方が、心筋梗塞、脳血管障害、および静脈血栓塞栓症のリスクの増加と関連することを報告しました。(2020, Sahai)
■新型コロナ感染症で血栓症が起こる3つのメカニズム
①血管内皮細胞のACE2受容体にスパイクタンパク質が結合→血管内皮細胞のミトコンドリア機能の低下→血管内皮細胞の障害や炎症→血栓症
②血小板のACE2受容体にスパイクタンパク質が結合→血小板活性化→凝固因子の放出、炎症因子の放出、白血球-血小板凝集体の形成を促進→血栓症
③血小板のACE2受容体にスパイクタンパク質が結合→血小板のプログラム細胞死→血栓症
■アスピリンの抗血栓作用のメカニズムは、アラキドン酸カスケードのCOXを阻害します
新型コロナウイルスの血栓症はミトコンドリア依存性に発症しており、アスピリンの抗血栓作用とメカニズムが全く異なっています。
マッチポンプのような状態になっているのかもしれません。