イベルメクチンを長期で服用出来ない理由
まとめ:イベルメクチンは、強力なACE2阻害作用を発揮しますが、長期使用ではフィードバックによりACE2受容体のアップレギュレーションを招き、ACE2受容体をブロックし切れなくなり、スパイクタンパク質の影響を防ぎきれなくなると考えます。
アメリカの有志の救急救命専門医によって結成されたFLCCC(Front Line COVID-19 Critical Care Alliance)が出しているワクチン後遺症のための治療プロトコルで、イベルメクチンは最大で4週から6週までの服用となっており、改善が見られない場合は中止となっています。
■イベルメクチンは、スパイクタンパクACE2受容体複合体およびACE2受容体に高い親和性を持ち、感染を防ぎます。
新型コロナウイルスはACE2受容体に、スパイクタンパク質が結合することで感染しますが、イベルメクチンはスパイクタンパクACE2受容体複合体に対して高い親和性を持ち、人体への侵入・感染を阻害します。(2020, Lehrer)
SARS-CoV-2 に対する文献で発表された 60 の薬剤の中で、パリタプレビルとイベルメクチンが、ACE2受容体に最も高い結合親和性を有することを示しました(2021, Oliveira)
■RAS(レニンアンギオテンシン系)阻害剤を長期で使うと、フィードバックでACE2受容体がアップレギュレートされます。
動物モデルでRAS阻害薬(アンジオテンシン変換酵素[ACE]阻害薬またはアンジオテンシン受容体拮抗薬[ARB])が、SARS-CoV-2の受容体であるACE2の発現を増加させる可能性が報告されています。(2005, Ferrario)(2015, Furuhashi)
ACE2 の発現は、ACE 阻害剤およびアンギオテンシン II タイプ I 受容体遮断薬 (ARB) で治療されている 1 型または 2 型糖尿病の患者で大幅に増加しています。高血圧はまた、ACE阻害剤とARBで治療され、ACE2のアップレギュレーションをもたらします。(2017, Li)(2020, Fang)
ACEIやARBSで治療を受けている患者には、新型コロナウイルスのSタンパク質が結合するACE2受容体の数が増えているため、新型コロナウイルスによる重症化のリスクが高まる可能性が指摘されています。(2020, Diaz)