がん幹細胞
がん細胞には正常細胞と同じように、元になる細胞=「がん幹細胞」が存在することが近年の研究でわかってきました。
またこのがん幹細胞には、がんの標準治療である抗がん剤(2005, Dean)(2008, Eyler)(2006, Liu)(2018, Phi)と放射線(2008, Bauman)(2006, Bao)(2009, Diehn)が効かない(耐性がある)ことが知られています。
がんの標準治療を行って、がん細胞が一見死滅したように見えても、がん幹細胞が生き残っており再発が見られる現象や、転移には、このがん幹細胞が関係しています。(2002, Gottesman)(2010, Ebben)
がん幹細胞は、がんを構成するがん細胞の中で、自己複製したりさまざまながん細胞に変化したりする能力を持つ親玉的ながん細胞で、蜂社会における「女王蜂」にも例えられます。
がんの標準治療が効かないがん幹細胞に作用して、「再発・転移」に対して有効な様々な代替医療が提唱されています。
高濃度ビタミンC点滴は、がん細胞に優先的に作用する酸化ストレスを作り出し、がん幹細胞に対する有効性が指摘されています。(2018, Vissers)
クルクミンやレスベラトロールなどの植物性化学物質も、がん幹細胞に対する有効性が指摘されています。(2010, Subramaniam)
細菌や寄生虫による感染症の広範囲の治療に使用されているドキシサイクリン( DOX )、サリノマイシン( SAL )、モネンシン( MON )、イベルメクチン( IVR ) などの抗生物質は、がん細胞やがん幹細胞 を根絶できる新しい薬剤として認識されるべきであることを明確に示しています。(2019, Markowska)