気の分類

気の作用:推動、温煦、固摂、防御、気化

気の分類
原気(元気)推動、温煦、気化先天の気腎の貯蔵された先天の精から化生した気で、生命活動の原動力
宗気(胸中之気)推動後天の気胸中飲食物から得られる水穀の精緻と呼吸により得られる清気が合わさり、化生される気で、心肺の活動を支える
営気(営陰=陰気の一種、この場合の陰気は冷やす意味ではなく、滋潤という意味)=陰気(下降、内向性のあるもの)滋養後天の気脈内(血管内)栄養分を持ち、栄養を供給
衛気(陽気、衛陽=陽気の外側の働き)=陽気(上昇、外向性のあるもの)防御、温煦、固摂後天の気脈外(血管外)汗腺の開閉を行い、外邪の侵入を防衛、体温を調整、発汗を調整、陽気の一部で衛陽ともいう、不足で冷えが出る
正気(真気ともいう)人体の生命活動の動力
上の4つの先天の気と後天の気が結合したもの
=抵抗力(免疫力)+回復力
正気不足(正虚)気血津液精が不足

■衛気の昼夜運行

衛気は昼は体表、夜は体内をかけめぐっている。陰虚では、虚熱があるところに夜になると衛気(衛陽とも呼ばれ温煦作用をもつ)が体内をかけめぐるため、もともとの虚熱が悪化して、潮熱、五心煩熱、盗汗が起こる。

『黄帝内経・霊枢・衛気行』には、「陽主昼、陰主夜。故衛気之行、一日一夜五十周於身、昼日行於陽二十五周、夜行於陰二十五周、周於五蔵。」

とあります。意味は、**「陽は昼を主り、陰は夜を主る。そのため衛気は一昼夜に全身を50周し、昼は陽分を25周、夜は陰分を25周して五臓を巡る」**ということです。

盗汗とは、身体が熱を冷ますために意図的に水分を排出しているのではなく、陰虚によって生じた虚熱が津液を蒸し、本来保持すべき貴重な水分が「盗まれるように」汗として漏れ出ている状態です。そのため盗汗が続くと陰液がさらに失われ、陰虚・虚熱が強くなるという悪循環になります。

一方、陰虚に対して沢瀉を含む六味地黄丸(熟地黄、山茱萸、山薬、沢瀉、牡丹皮、茯苓)を用いることがありますが、これは盗汗とは意味が異なります。沢瀉は不足している陰液をさらに排出するためではなく、古典でいう**「瀉水中之火」、すなわち水中に鬱滞した火を瀉し、さらに「疏水道之滞」**として停滞した邪水の流れを整えるために配合されています。つまり六味地黄丸は、必要な「真水」は補いながら、不要な「邪水」とそこに鬱滞する火は除くという「補瀉併用」の処方と理解できます。

■営衛不和

営衛不和(えいえふわ)とは、「身体の内側を養う営気と、体表を守る衛気の連携がうまくいかなくなった状態」です。自汗と悪風が特徴です。

営衛不和の自汗は、衛気による体表・腠理の開閉調節がうまくいかず、腠理が開いているため汗が漏れ出る。

悪風(風に当たると寒く感じて嫌がる)が起こるのは、「体表を守る衛気が十分に働かず、腠理が開いているため、風の影響を受けやすくなる」からです。