肺炎の肥満生存パラドックス
肥満があると肺炎に罹りやすくなりますが、一旦肺炎に罹った場合は、肥満のある人の方が生存率が高くなります。
これを肺炎の肥満生存パラドックスと言います。
肥満があると肺炎に罹るリスクは上がるが、死亡リスクは逆に下がるという結論です。
肺炎以外にも、心不全、冠動脈疾患、糖尿病も同じで、肥満があると疾患リスクは上がるが、死亡リスクは下がるパラドックスが指摘されています。
ところで、BMIと死亡率との関係性は、有名なU字型の関係があることが知られています。
これらの肥満生存パラドックスも厳密に言えばゆるやかなU字型の関係になっていると考えています。
全体として見ると、相関関係有り(肥満があると、肺炎は罹りやすいが、その死亡率は下がる)となってしましますが。
つまり、極端なやせや、極端な肥満があれば、罹患率や死亡率が上がって来ます。
ある程度の肥満で、死亡率が下がるメカニズムは、生体が危機状態になった時に、身体の中の栄養素を総動員して生存するための活動が行われます。
その時に使われる脂肪や筋肉(タンパク質)の量が多い肥満の方が有利になるからです。
体脂肪率が低すぎたり、筋肉が痩せるほどの極端なダイエットは良くないと言うことです。
コロナウイルスを重症化せずに生き延びるためには、高タンパク食とある程度の糖質摂取が良いという結論になります。
肥満があると肺炎や生活習慣病に罹りやすい理由は、糖質過食によって肥満になりますが、糖質過食があると血糖値の乱高下に伴って、様々なホルモンが往復ビンタで分泌されます。
ホルモンの分泌に伴って、ATPが無駄に産生されて、それに伴って活性酸素が余分に産生され、その酸化ストレスが発病に繋がります。