現代病のための食事療法
現代病は、1800年以降に出現してきた自己免疫疾患や過敏性腸症候群、1900年以降に出現してきた炎症性腸疾患、1950年以降に急増してきた生活習慣病、アトピーやアレルギー疾患、発達障害などのことです。
1800年以降の食事革命(小麦の消費量の増加、調味料の出現、保存食のはじまりなど)と密接に関係しています。
医学では現代病とこの食事革命の関係を無視しています。
いずれも腸内フローラやリーキーガット症候群の問題が絡んでいます。
リーキーガットとは胃十二指腸と小腸(主に小腸)にて、腸のバリヤ機能が緩くなり、本来は腸内にあるべき物がすり抜けて体内に侵入してくる現象です。
セリアック病において、グルテンが分解してグリアジンが出来て、これが小腸の上皮細胞に結合して、ゾヌリンが作られて、このゾヌリンが上皮細胞に結合して、タイトジャンクソンと言われるジッパーのような構造物を開ける機序が明らかにされています。
以上から、ゾヌリンは腸透過性バイオマーカーと言われており、血液検査で調べることも出来ます。
ゾヌリンは、セリアック病などのグルテン関連疾患だけでなく、1型糖尿病、多発性硬化症、炎症性腸疾患、喘息、関節リウマチ、自閉症、ADD/ADHDなどとの関連が報告されています。
タイトジャンクションを形成するタンパク質には、ゾヌリン以外にもオクルディン、クローディン、接着接合分子があります。
またタイトジャンクションを緩める物質は、グルテン以外にも、砂糖、塩、ブドウ糖、乳化剤、有機溶剤、マイクロトランスグルタミナーゼ(パン、牛乳、肉、魚などの食感を良くする生物学的接着剤)、ナノ粒子などがあります。
工業的に大量生産されたパン、牛乳、砂糖、塩、調味料、食品添加物などが、小腸のタイトジャンクションを緩めて、腸漏れ症候群を起こし、それが自己免疫疾患や発達障害などの現代病を起こしています。
ゾヌリンとセリアック病だけの話ではありません。
安く大量生産されたハイテク食品を出来るだけ制限して、昔からある食材を出来るだけそのまま食べることが大切です。