フェリチン低値の治療
内科や小児科で問題ないと言われても、当院では治療を勧めています。
日本のガイドラインでは、「貧血がなくても(ヘモグロビンが正常)、フェリチンの正常化を目指して、25ng/dLを目標に治療する」ですが、フェリチンを測定している医療機関は少ないようです。
治療の選択肢は以下です。これらから選んでもらいます。
①食事で頑張る。納豆、レバー、赤肉を出来るだけ毎日食べる。
②処方薬のフェルム100mg1錠夕食後を服用。
③サプリのキレート鉄100mg相当を夕食後に飲む。
この中で、③のキレート鉄が最も強力に回復させることが出来ます。お金が掛かりますが。
健康は、自分で買うしか方法がないのが現実です。
キレート鉄を服用するときは、3ヶ月おきの血液検査が必須です。
フェリチンのことばかり書いていますが、
もっと大事なのはタンパク質です。
鉄の主な供給源は、納豆と肉なので、これらが摂取出来ている人は、フェリチンが正常域に保たれています。
一方で、BUN(尿素窒素、栄養学では15ng/dL〜を目標とするタンパク質の指標)が低値の人だと、いくら鉄剤を取ってもフェリチンが上がってこない人が多いです。
つまり、タンパク質>鉄の優先順位になってます。連動しているとも言うことが出来ます。
鉄の吸収促進因子:タンパク質、ビタミンC、胃酸。
鉄の吸収阻害因子:フィチン酸、シュウ酸、タンニン、カルシウム、乳製品、制酸剤。
フィチン酸、シュウ酸、タンニンは、ほとんどの野菜、果物、お茶に含まれている成分です。
野菜は食べるけど、肉はあんまり食べない感じだと、鉄の吸収が阻害されます。シュウ酸鉄などとなって、便に排泄されてしまいます。
お茶やミルクを摂りながら食事をしても、鉄の吸収は阻害されます。
もうひとつの大きな問題は、鉄タンパクの生成に問題があるだろうと思います。
鉄タンパクは、体内で極めて重要な役割を担ってます。
栄養学の正常値から見ると、日本人のタンパク質の体内保有量は、平均で1/2から2/3ぐらいに下がってます。
厚労省などが提示している、タンパク必要摂取量と、実際に日本人が食べているものを比較しても、その差は歴然としています。
重要な鉄タンパク質が、どのぐらい合成出来ているか心配です。
タンパクと鉄を理想値まで上げるのが、健康になるための必須条件です。
治療法の番外編として、鉄卵を使う、包丁、鍋、フライパンなどを鉄製に変えている人もいます。