フェリチンの低値について
フェリチンは、体内の鉄の貯蔵量を反映すると言われています。
もうひとつの役割は、急性炎症性蛋白です。
炎症、感染、外傷、腫瘍、溶血などでは、容易に高値となります。
鉄がフェリチンと一緒ではなく、むき出しのイオンで存在すると、強い酸化作用のために細胞毒として働くので、慌ててフェリチンの内部に回収しようとします。
身体に何かしらややこしい問題があると、フェリチンはすぐに高値になるということです。
となると、フェリチンが低値ということは、非常に異常なことです。
フェリチンを用いた鑑別診断ですが、フェリチンが低値になるのは、鉄欠乏性貧血の時です。
臨床では、疾患頻度という概念が非常に大事です。
珍しい病気は、めったにありません。
国家試験に出てくるような重箱の角をつっつくような疾患は、一生お目にかかれないのが普通です。(真性多血症でもフェリチン低値になるそうですが、頻度は低いです)
小麦に鉄が入っていない日本で、フェリチン低値を見たら、まず鉄不足です。
しかも、納豆も肉もあまり食べないならなおさらです。
低タンパクがあれば、女性や子供であれば、まず間違いないでしょう。