痛風と尿酸値

2019年7月17日

痛風の原因は、未だに解明されていません。

尿酸の値が9.0mg/dlを超える高尿酸血症となると危険と言われています。一方で、高尿酸血症の人で、痛風を発病しない人(無症候性高尿酸血症)は、発病する人の10数倍存在すると言われています。また尿酸値が低い人でも、痛風を発病する人も存在する。つまり、高尿酸血症と痛風との関係は、はっきり解明はされていません。

プリン体を多く含む食べ物を沢山摂ってはいけないと一般的に言われていますが、食物由来のプリン体は、尿酸全体の10-15%程度に過ぎず、残りは体内で生産されており、「食べ物をあまり気にしなくてよい」と言う専門家もいます。

激しい運動が尿酸値の上昇に関係するとも言われますが、実は単に過度の運動というストレスが、尿酸値を上げるという論文も存在します。

一方で、尿酸は、がんや成人病などあらゆる疾患の原因と言われる「活性酸素」を除去する抗酸化物質であることが明らかにされました。この抗酸化物質として有名なものはビタミンCです。ヒトと一部の霊長類以外の動物は、尿酸を分解する酵素(尿酸ペルオキシダーゼ)を持っています。人間と一部の霊長類は、進化の過程で、この酵素が欠損して、尿酸を分解できなくなってしまっています。一方で、ヒト、サル、モルモットは、ビタミンCの合成能力を進化の過程で失いましたが、それ以外の動物は、ブドウ糖からビタミンCを簡単に作ることができます。

脳が発達したヒトでは、大きなストレスがあったときに、ステロイドホルモンの生産などで、通常の10倍以上という大量のビタミンCが消費されます。もし、ヒトがブドウ糖からビタミンCを作ることができるとすると、この時に、ブドウ糖が大量に消費されて、重度の低血糖症となります。このために、ビタミンCの合成能力を持つヒト種は、進化の過程で滅びてしまったと考えられます。

このビタミンCを合成できないヒト種は、抗酸化物質が不足するために、進化の過程で、尿酸の分解能力を失い、抗酸化物質としての尿酸を確保したと考えられます。つまりヒトは、ビタミンCが合成できない代わりに、尿酸を合成できるように進化したのです。

こう考えると、高尿酸血症を安易に治療してはいけないのは、自明の理です。

このビタミンCと尿酸の関係を示唆する様々な論文が報告されています。

痛風が起こる仕組みを、分子レベルで見ると、尿酸にナトリウムがくっついて、尿酸ナトリウムとなり針状結晶となります。これが、周囲の組織を傷つけて炎症を起こすのが痛風の正体です。この時に、尿酸が糖タンパクと結合すれば、ナトリウムと結晶化せずに、痛風にはなりません。つまり、十分な量の糖タンパクが栄養条件として存在すれば、問題は起こりません。まず、タンパク質と、糖を作るためにビタミンAが欠かせません。

以上をまとめると、高尿酸血症は、生体の防衛反応として、高ストレス状況で、大量に発生してくる活性酸素に対抗するために起こってきます。

治療の第一は、高ストレスな環境の改善です。仕事や対人関係のストレスを抱えていると、毎日大量のストレスホルモンが分泌されます。この時に大量の活性酸素が発生します。栄養的なストレスの問題も大きいです。インスリンを分泌させる大量の糖質の摂取、反栄養素(レクチン、フィチン酸、シュウ酸など)の摂取、トランス脂肪酸の摂取などのことです。

この中で一般的には、糖質過食による食後高血糖が酸化ストレスの一番の原因です。

糖質制限が、痛風の治療の原則になります。

酸化ストレス・抗酸化力を測定すると、より原因が分かります。

栄養条件から考えると、ビタミンCだけでなく抗酸化物質を大量に摂取する方法があります。

また、尿酸ナトリウムの結晶化を防ぐために、高タンパク食とビタミンAが必要となります。