腸内フローラと肥満

2019年11月29日

肥満があると腸内細菌叢の偏倚(dysbiosis)があることが人およびマウスで報告されており、肥満が食事療法で解消されるとこのdysbiosisが改善することが報告されています。

しかしながら、プロバイオティクスの服用によって肥満やメタボリックシンドロームが改善したという明確なデータは出ていません。

食物繊維についても身体の代謝に対して重要な役割を担っていると言われていますが、肥満に対する明確な結論は出ていません。

便移植(便微生物移植、fecal microbiota transplantation)によって、体重が増加するという実験データがあります。

いわゆるヤセ菌とデブ菌の話です。

やせた人はヤセ菌を持っており、太った人はデブ菌を腸内フローラに持っているとも言われていましたが、現在はもっと話は複雑で、脂質代謝指令菌や糖質代謝指令菌のバランスが関係していると言われています。

調べた範囲では、便移植によって体重が増加したというデータは存在しますが、痩せたというデータは未だに存在しません。

痩せた人の腸内フローラを太った人に便移植して、インスリン抵抗性が改善したという報告があります。

(ただし個人レベルで見ると、移植しても改善しないケースも混在していたそうです。)

肥満そのものは解消されませんでした。

痩せるための条件のひとつが整ったと言うことです。

現実的には肥満の場合は、精製糖質依存、グルテン依存、カゼイン依存がまず存在しますので、食欲の対策(タンパク質や食物繊維の摂取)が必須になると考えています。

便移植ですら太らせることは出来ても、痩せさせることは難しい訳ですから、プレ・プロバイティクスや腸内洗浄やエネマ系のダイエット治療も、効果は厳しいのではと考えています。

結論としては、肥満の解消はプレ・プロバイティクスだけでは解決できません。

肝心なのは食事であり、腸内フローラバランスのdysbiosisは食事の結果と言うことです。