パプア・ニューギニアの食生活
パプア・ニューギニアの人達はイモを主食としており、摂取タンパク質が少ないにも関わらず、筋骨隆々とした立派な身体をしていることが知られています。
摂取タンパク質量は、1940年代までは1日約20g/kgでしたが、1980年代になると1日約40g/kgと増加してきています。食の欧米化に伴う現象です。
低タンパク食を取りながら筋骨隆々の身体を維持できていることに関して仮説が2つあります。
1.窒素固定仮説
ある種の微生物は、空気中に存在する窒素を窒素化合物に変換して、土壌に固定することが出来ます。
人間の腸内細菌がこの空気中の窒素を取り入れる窒素固定を行っているという仮説です。
2.尿素の再利用仮説
体内のアミノ酸は最終的な代謝産物としてアンモニアを作ります。このアンモニアは人体に取って有害なために、肝臓のオルニチン回路(尿素回路)で安全な尿素に代謝されます。
この尿素を腸内細菌が再利用しているという仮説です。オルニチン回路を逆回転させる腸内細菌を持っているという仮説です。
パプア・ニューギニア人の腸内細菌の半数は新種であり、まだ解明されていないそうです。
牛などの反芻動物について
長い消化管を持っており大量の微生物と共生している。この微生物は、尿素やアンモニアを取り込んで菌体タンパク質を合成することが出来ます。
この菌体タンパク質が、反芻動物の主なタンパク質源になっています。