食物繊維が不足すると結腸粘膜に障害が出る

食物繊維は、腸管細胞の唯一のエネルギー源となる短鎖脂肪酸を生成します。この短鎖脂肪酸をエネルギーにして、腸管上皮細胞がムチンと言われる粘液を分泌して、腸管バリアを形成しています。

また、この短鎖脂肪酸は、腸管免疫を活性化して腸管のバリヤ機能を維持することも知られています。

2016年にEric C. Martens先生が、食物繊維が不足すると結腸粘膜に障害が出ることを報告されています。

マウスに食物繊維が全く含まれていない食事を与えると10日で死んでしまいます。

腸内細菌のエサである食物繊維が不足すると、腸内細菌が結腸粘膜の表面を守っている粘液物質のムチンを食べてしまい、腸のバリヤ機能が失われるからです。

この結果、感染症、炎症性腸疾患、大腸癌を引き起こすと推論されています。