プロテインを摂りたくない!<その1>

プロテインを摂りたくない、やめてしまったと言う話を聞くことがあります。

食生活変えるのは確かに大変です。

なぜプロテインが必要なのか?

その知識と理論と感覚の積み上げは、簡単ではありません。

この記事のためのおさらい

・炭水化物=糖質+食物繊維。

・タンパク質とは、肉、魚、卵、大豆などです。

・プロテインと単に書いてあるときは、ホエイプロテインのことです。

・この記事では、もうひとつの3大栄養素の脂質の話は省きます。

動物性タンパク質をある程度摂取していれば、脂質も同時に摂取が出来ます。

(1)糖質制限とプロテイン

1.なぜ糖質制限が必要なのか?

生活習慣病、精神疾患、アレルギー性疾患、癌、発達障害などあらゆる現代病において、糖質過食との関係性が浮かび上がって来ています。

お米、パン、麵、お菓子などの精製糖質の歴史は100年程度ですが、安価な精製穀物の登場によって、人類は飢餓の歴史と縁を切ることが出来ました。

一方で、この現代食によって現代病という重荷を背負わされています。

糖質制限に関しては、数えきれないぐらいの一般書が出ていますが、教科書には記載されていません。

どの分野でも言えることですが、一般書の方が数十年先を進んでいます。

好き勝手に食べても健康な方も確かに居られますが、そのような方も糖質制限をすればより健康になれます。

2.糖質の依存性の問題

依存性を起こす物質は、植物由来のものです。

動物由来のタンパク質(肉、魚、卵など)に依存性はありません。

穀物を精製した精製糖質や甘味などは、脳内の報酬系に作用して依存を形成することが知られています。

タバコ、お酒、麻薬の依存性は社会問題となっていますが、糖質依存の問題はようやく糖質制限の話が広まりつつあるところで、まだまだ周知はされていません。

世界的な公式見解では、未だに全カロリー量の60%を糖質で摂取することになっており、病院食も給食も糖質中心です。

普通に外食したりスーパーで食品を買っていると自然に糖質過食、糖質依存になってきます。

依存症は否認の病とも言われますが、糖質依存のど真ん中に居る人は、その特性のため依存に気が付くことが出来ません。

糖質依存なんか聞いたことありません、私は違いますと言われる方もおられると思います。

簡単に証明することが出来ます。

普段食べている、糖質(ごはん、パン、麵、お菓子など)を数日中止してみて、タンパク質と野菜と果物だけの生活にしてみるやり方です。

猛烈に糖質が欲しくなるはずです。これが禁断症状です。

大きな袋入りのお菓子やスナックを食べ出して、気がついたら全部食べていた経験は誰でもあるのではないでしょうか?

これも糖質依存の症状です。

甘いお菓子やケーキを食べた瞬間に「頭に快感が走る」経験をされたことはあるのではないでしょうか?

この「頭に快感が走る」感覚が、依存症を形成する脳の報酬系にスイッチが入った瞬間です。

3.糖質とタンパク質の関係

糖質の摂取量とタンパク質の摂取量は、どちらか片方に偏る傾向があります。

糖質を沢山食べているとタンパク質の摂取量は減り、タンパク質を十分に摂っていると糖質があまり欲しく無くなります。

タンパク質は強い食欲抑制効果を持っています。

この効果を使わなければ、糖質依存からの離脱は困難です。

最も食欲抑制効果が強いタンパク質がプロテインなので、糖質依存の重症型である過食症の特効薬となり得ます。

健康との関係で言えば、ある程度の範囲で糖質を減らすほど、タンパク質を増やすほど健康になれます。

逆に糖質を増やすほど、タンパク質を減らすほど不健康になります。

別の言い方をすると、栄養素と有病率の関係はU字型の関係性があります。

現代食に比べて、糖質は半量、タンパク質は倍量あたりが健康になるための最適量です。

糖質制限は現代病の改善のために理論ですが、単なる制限ではリバウンドすることが多いです。

糖質制限を継続させるために、タンパク質、特にプロテインの摂取が決め手になってきます。

さらにプロテインを摂れば、糖質過食の背景にある低タンパクを改善することも出来ます。

4.安くておいしいものは、ほとんど糖質です

安くておいしいものは糖質です。

アメリカの肥満・所得・寿命の記事でも書きましたが、安くておいしい糖質ばかり食べていると、肥満になって健康寿命が短くなります。

一方でプロテインはおいしくはありません。

おいしいものを食べることが人間の基本的な食行動であり、まずいものを好きこのんでは食べられません。

まずいプロテインをどうやっておいしく摂取するかは、個人個人が工夫するしかありませんが、プロテインバー、プロテインドリンク、ボーンブロス、濃縮甘酒、南蛮漬けなどの記事はそのために書きました。

数種類のプロテインを混合して味を調整したり、変化させたりする方法もあります。

本能や感情に従えば、糖質に食生活は偏ってしまいます。

知識や理解や工夫が無ければ、プロテインは継続できません。