寄生虫療法

2020年5月24日

この図はアレルギー性疾患の増加と寄生虫や結核の罹患率の減少との関係を示しています。

BCG接種は結核菌だけでなく、白血球を刺激して他のウイルスや細菌なども防ぐ効果があり、これをオフターゲット効果と言います。

寄生虫療法では、寄生虫を意図的に感染させることによって、アレルギー性疾患、炎症性腸症候群、多発性硬化症、乾癬、自閉症、セリアック病に効果があることが報告されています。

実際に使われる寄生虫は、蟯虫や豚鞭虫です。

寄生虫は、寄生虫特有の免疫応答をダウンレギュレートできるだけでなく、自己免疫やアレルギー性炎症反応を改善し、代謝恒常性を改善します。

人間の免疫システムは多種多様な病原体から身体を守っていますが、その司令塔的な役割をするのがヘルパーT細胞です。

ヘルパーT細胞は胸腺で生まれナイーブT細胞やTregとして胸腺の外に放出されます。侵入した病原体の種類に応じてナイーブT細胞は3種類いずれかのエフェクターT細胞(Th1、Th2、Th17)に分化し、その病原体の排除に最適な免疫応答を誘導します。一方TregはそれらエフェクターT細胞を抑制する機能を持っています。

つまりTreg細胞は、免疫システムを落ち着かせる役割を持ってます。

寄生虫の駆除によってTreg細胞が減り、エフェクターT細胞を抑制出来なくなり、免疫過剰が起こります。

寄生虫療法によってTreg細胞が誘導されて増えて、エフェクターT細胞を抑制出来るようになり、免疫過剰を抑えます。