免疫の細かい話と自閉症

白血球は、異物の侵入から身体を守る免疫の働きを担っています。

細菌や真菌などの大きな感染に対しては顆粒球が、小さなウイルスや腫瘍に対してはリンパ球が主に対応します。

白血球の中のリンパ球は、NK細胞、B細胞、T細胞の3つに分類されます。

NK細胞は生まれつき備わっている免疫細胞で、細菌やウイルスなどの病原体に感染した細胞を攻撃します。

骨髄由来のB細胞は細菌やウィルスなどの病原体が侵入してくると抗体を作り身体を守ります。(液性免疫)

胸腺由来のT細胞はサイトカインを分泌して、体を防御するとともに、一度侵入してきた病原体を記憶し、それに基づいてすばやく対応し、排除する働きをもっています。(細胞性免疫)

この細胞性免疫を担うT細胞は、さらにTh1細胞、Th17細胞、Treg細胞の3つに分かれます。

自閉症では、Th17細胞系が亢進し、Treg細胞系が抑制されていることが報告されています。

Th17細胞とTreg細胞およびそれらに関連するサイトカインの不均衡は、「綺麗になりすぎた環境」が原因と考えられています。(衛生仮説)