知的障害も増えている

発達障害の方が増えているという話があります。

発達障害の診断は臨床症状と生育歴で行い、知的障害の診断は知能検査で行います。

発達障害の診断のための検査として同様に知能検査も行います。

知能検査で、全般的に低下する場合には知的障害の診断となり、部分的に問題がある場合は発達障害を疑います。

療育手帳はは知的障害のあることを証明する障害者手帳です。

大阪府の岸和田市の交付者の総数の推移ですが、大幅に増えています。

静岡市の推移も大幅に増えています。調べた範囲では全国的に同じ傾向です。

知能検査での検査方法は、ほぼ変化していませんので、検出率が上がった訳ではありません。

全国の知的障害児・者の総数の推移ですが、これで見ても明らかに増えています。

特に17歳未満の知的障害の方の数が、大幅に増えています。

一方でこの間に出生数は、漸減しています。

国の解釈は「知的障害の認知度が広まった」ことが理由だそうです。

発達障害が増えている現象は、「認知度が広まった」ことも要因の一つかも知れませんが、知的障害についてはこの理由だけでは十分には説明が出来ません。

2014年にHoutlowらが、米国の子供の障害を2001年から2010年までの期間での変化を調べたところ、身体的障害(喘息、視覚障害、聴覚障害など)に分類される疾患の有病率は減少していましたが、神経障害や精神障害に分類され疾患の有病率は大幅に増えていたことを報告しています。

この中で、知的障害の有病率は63%増えていたと報告しています。

2013年にLaiらは、台湾の子供の障害を2000年から2010年までの期間での変化を調べたところ、知的障害と自閉症スペクトラム症の有病率が有意に増加していたことを報告しています。

世界的に知的障害の有病率が増えている原因は、現代食、現代医療、現代の環境にあると考えています。