糖尿病とクロム
クロムは原子番号24の元素ですが、クロムとアミノ酸が結合したクロモデュリンが、インスリン受容体に結合することによって、インスリンがグルコースを細胞内に取り込む作用を活性化することが明らかにされています。
2型糖尿病でインスリンが存在していても血糖値が下がらない理由は、クロムが不足することでクロムデュリンが機能出来ないことが原因です。
2008年にKaziらは、2型糖尿病患者の血液と毛髪で、亜鉛、マンガン、クロムが有意に低下していることを報告しています。
2006年にBroadhurstらは、総論で2型糖尿病にクロム(ピコリン酸クロムのサプリ)の投与が有効であることを報告しています。
クロム中毒は通常は呼吸器を介してクロムが侵入した際に、肝障害や腎障害の形で現れてきます。
クロムの生物学的半減期は40日から60日です。
経口でクロムを摂取した場合は、毒性のある六価クロムは胃酸で還元されて三価クロムになるので毒性はまず出ません。
クロムについては、ピコリン酸クロムの大量服薬での副作用の報告はあるものの通常量のサプリでは副作用はまず起こらないと言われています。
アルツハイマー病は3型糖尿病であることが明らかにされていますが、アルツハイマー病の脳では、グルコースをインスリンの作用で脳細胞に取り込むシステムに問題があり、このシステムに亜鉛とクロムが必須であることが報告されています。
認知機能の改善にピロリン酸クロムが有効であることも報告されています。
クロムは食べ物では、のりやあおさに多く含まれています。