腸内フローラが心を決める
メンタルに関係する神経伝達物質は、90%以上は腸内細菌が作ることが知られています。
タンパク質を直接経口摂取することも大事ですが、腸活により腸内細菌が神経伝達物質を作ることが重要な役割を果たしています。
現在注目されている便移植から、腸内細菌叢と精神疾患との論文を集めてみました。
2019年にSharonらは、自閉症の人の腸内細菌叢を無菌マウスに移植したところ、自閉症様行動を誘発したことを報告しました。
2019年にZhuらは、統合失調症の人の腸内細菌叢を無菌マウスに移植したところ、統合失調症様行動を誘発したことを報告しました。
2019年にLiらは、慢性ストレスのモデルマウスから糞便移植を受けた正常マウスは、不安およびうつ症状を示すことを報告しています。
2020年にZhaoらは、アルコール依存症患者からの便移植が、正常マウスの不安およびうつ症状を誘発することを報告しています。
2018年にZuらは、慢性的にアルコールに暴露されたマウスの不安およびうつ症状が、健康なドナーからの便移植によって軽減されることを報告しました。
2018年に黒川らは、慢性胃腸疾患の患者に対する便移植によって、精神症状(うつ、不安、睡眠)が改善されることを報告しました。
2019年にCaiらは、79歳のうつ病の女性に6歳のひ孫の便移植で回復した症例を報告しています。
激しいうつ症状のため、常に眠気があり、寝たきり、便秘、食欲不振で体重が25キロ減る状態でした。
便移植の4日後より、眠気が減り、食欲が回復して、便秘が治り、話が出来るようになりました。
2週間後には気分が良くなり、抑鬱気分は消失して、体重が1.5キロ戻りました。
半年後には、体重が元に戻りました。
2020年にMeyyappanらは、精神疾患に対する糞便移植の過去21論文を総括して、強い有効性を報告しています。