動物性タンパク質 vs 植物性タンパク質

結論:タンパク質が足りていない人がほとんどなので、必要タンパク質量を満たすことがまずは大事です。

赤肉と加工肉を植物性タンパク質に置き換えると、死亡率が下がるという報告があります。

人間にとって、動物性タンパク質が良いのか、植物性タンパク質が良いのかという議論があります。

動物性食品を忌避する菜食主義(ベジタリアン)は根強い人気があります。

とにかく問題のある食べ方は、精製糖質(単純炭水化物)の偏る食べ方です。

■人間を対象とした比較研究では、植物性タンパク質がやや有利、またはどちらでも良いという結論です。

2002年にWheelerらは、2型糖尿病と微量アルブミン尿症の患者への動物性または植物性タンパク質を多く含む食事の身体への影響(腎機能、血糖、脂質、血圧)を調べました。タンパク質の種類の違いによる影響はないことを報告しています。

2013年にTielemansらは、血圧と動物性および植物性タンパク質の摂取量との関係を調べました。タンパク質の種類によって血圧への影響の違いはなく、タンパク質摂取量を増やすことで血圧への有益な効果があることを報告しています。

2017年にSucherらは、2型糖尿病患者の心血管危険マーカーへの動物性または植物性タンパク質を多く含む食事の影響を調べました。タンパク質の種類の違いによる影響はないことを報告しています。

2017年にSongらは、米国での約13万人を対象とした大規模研究で、動物性タンパク質を大量に摂取する人の全体の死亡リスクは上がりませんが、心血管疾患に着目すると死亡のリスクが高いことに関連していました。対照的に、植物性タンパク質の摂取量が多いほど、すべての原因による死亡率が低くなります。さまざまな食品源、特に加工赤身の肉からの動物性タンパク質を植物性タンパク質で置き換えることは、死亡リスクの低下と関連してていることを報告しました。

2019年にBudhathokiらは、日本での平均年齢56歳の約32000人を対象とした研究で、植物性タンパク質摂るほど、全体死亡率と心血管疾患による死亡率の低下することを報告しました。動物性タンパク質摂取量と死亡率との相関は無いこと、および赤肉と加工肉を植物性タンパク質に置き換えることで、全死亡率、癌関連、心血管疾患関連の死亡率が低下することを報告しました。

2018年に石川らは、日本人は、サルコペニアや虚弱を予防するために必要なタンパク質が足りないことを報告しています。

2018年にTen Haafらは、オランダの高齢者で同様の報告をしています。

2020年にHuangらは、米国での40万人を対象とした大規模研究で、動物性および植物性タンパク質の摂取量と死亡率との関係について、植物性タンパク質の摂取量が多いほど、全体的および心血管疾患による死亡リスクがわずかに低下することを報告しました。

2020年にNagshiらは、過去31の論文を総論としてまとめて、総タンパク質量が多いと、総死亡率が下がること、植物タンパク質の摂取量は、総死亡率と心血管疾患による死亡率が低くなること、動物性タンパク質を多く含む食品を植物性タンパク質に置き換えることは、長寿と関連している可能性があることを報告しました。

■植物性タンパク質を勧める書物

チャイナスタディ、コリン・キャンベル。

WHOLE、コリン・キャンベル。

食事のために死なないために、マイケル・クレガー。

低炭水化物ダイエットへの警鐘、コリン・キャンベル

LIFESPAN、デビッド・A・シンクレア

■動物性タンパク質を勧める書物

The Carnivore Code、Paul Saladino MD

Protein Power、Michael R. Eades