自閉症とプロバイオティクス

自閉症とプロバイティクスに関する総論(2020年のBarbosaら2016年のNavarroら2019年のNgら)が出ていますが、結論は出ていません。

主に牛乳から作られるプロバイオティクスは、腸内細菌叢に定着することが出来ない通過菌と言われています。

またSIBOのある人は、プロバイオティクスで症状が悪化することもありますので、注意が必要です。

自閉症では31% の人がSIBOを持っていると言われています。

■早期投与の保護効果も結論なし

2015年にParttyらは、75人の乳児をランダムに振り分けて、生後6ヶ月の間にプロバイオティクスを投与されると、ASDまたはADHDと13歳時点で診断されなかったことを報告しました。プロバイオティクスの早期投与が予防的役割があるという意味です。

2018年にSlykermanらは、妊婦または乳児が生後6ヶ月までにプロバイオティクスの投与された後、11歳の時の知能、実行機能、注意、うつ病、不安を評価しましたが、対照群に比べて有意差はありませんでした。

■注目されているロイテリ菌

2019年にSplittaらは、自閉症のモデルマウスで、ロイテリ菌(ラクトバチルスロイテリ)の投与によって、自閉症様行動を逆転することを報告しました。

2018年にTabouyらは、別の自閉症のモデルマウスで、ロイテリ菌(ラクトバチルスロイテリ)の投与によって、自閉症様行動が逆転することを報告しました。

2018年にMuらは、ラクトバチルスロイテリの総論で炎症性疾患への治療効果・予防効果を指摘しています。

ラクトバチルス属 は最も広く使用されているプロバイオティクスのひとつで、世界中の多種多様な発酵食品にも含まれています(Giraffa et al。、2010)。

アメリカで6ヶ月の投与を行うパイロットスタディが2020年にスタートしています。