自閉症のReviewー2018年〜2019年

投稿者: | 2021年2月14日

2019年にHollocksらは、自閉症とうつ、不安との関連をまとめて、自閉症の成人の現在および生涯有病率は、不安障害では27%および42%、うつ病性障害では23%および37%であることを報告しました。

2018年にNaviauxらは、酸化ストレスなどにより細胞が脅威にさらされたとき(細胞危険反応、Cell danger responce CDR)にM2(抗炎症)からM1(炎症誘発性)ミトコンドリアへのシフトが起こり、その後M1炎症誘発性ミトコンドリアは必要な時間を過ぎても持続します。これが子供の発達の軌道を変え、自閉症や他のいくつかの障害の根本原因になる可能性があることが報告されています。(CDR仮説)

プリン作動性シグナル伝達が、細胞危険反応(CRD)が過ぎ去った後も、CDRを維持しますので、抗プリン作動性療法(APT)は、脆弱Xマウスモデルの自閉症のような行動を修正するのに効果的であることがすでに証明されています。

最近の遺伝子発現研究で、プリン作動性シグナル伝達異常の証拠が自閉症の子供に見られました。また、非選択的プリン作動性アンタゴニストのスミランによって自閉症児の中核症状が改善した報告があります。特に高容量ではなく低用量のスミランが自閉症に有効性が指摘されています。

2019年にCekiciらは、自閉症への栄養療法をまとめました。

2019年にFryeらは、自閉症のバイオマーカーをまとめました。

2018年にHokingueらは、自閉症に併発する消化器症状を調べました。

消化管症状はこれらの研究間で大きく異なり、一致した結論に至っていません。

2018年にLittlelは、自閉症の目の問題についてまとめました。

視力とコントラスト感度、屈折異常、眼球運動、両眼視、近方視機能、自閉症の網膜構造に関する問題が指摘されています。

2019年にKinairdらは、自閉症では失感情症の有病率が高く(健常対象群の4.89%と比較して49.93%)、自閉症の参加者では失感情症のリスクが大幅に増加しました。アレキシサイミアが自閉症で普遍的ではなく一般的であることを報告しました。

アレキシサイミアとは、日本語では「失感情症」などと訳されることがありますが、感情鈍磨や無感動のように「感情の変化を失った状態」という印象をあたえる可能性がありまぎらわしいです。あくまで「感情を認知することの障害」であります。

2018年にHedleyらは、自閉症スペクトラム障害では自殺のリスクが高まります。自殺念慮の有病率は11〜66%、自殺未遂は1〜35%でした。