失われし食と日本人の尊厳

2021年4月10日

弓田亨氏の「失われし食と日本人の尊厳」を読みました。一部抜粋します。

現在この日本を覆っている広範で重篤な身体と心の病は、戦後急速に日本の食から致命的と言えるまでに様々な栄養素が幅広く欠落してきたことに最も大きな原因があるのではないでしょうか。

自然農法から農薬を大量に使う化学集約農法になり、農協のためにまかれ続けた農薬のために極限まで農地は荒廃しています。家庭菜園の野菜の方が、店で売られている有機栽培の野菜よりおいしくなっています。

畜産業も養殖業も、超集約型飼育法により栄養素の欠落したものを作っています。

日本へは新植民地主義で劣悪な食材が、海外から輸入されています。

国策により海塩が廃止され化学精製塩に移行しましたが、ナトリウム以外のミネラルを含む海塩の補給が必要です。

医学の非理知的な対症療法が生命を傷めています。

医師は、今目の前にしている病が、根源的にはどこに原因があるのか探ろうとはしません。今とにかく目にしている炎症や出血を止めることが医師の感じる唯一の使命なのです。病気を根源から治すという着想は少しもありません。すべきことは、最後にはステロイドでも何でもいい、とりあえず炎症の止まる薬を打つことだけです。そして表面の炎症が消えて出血が止まれば、実際の病気は薬によって更に深く悪化していたとしても、医師はその病気を治したことになります。そしてしばらくしてより重い状態で病気が顔を現します。これは医師にとっては、一度治った病気が勝手に再発したものです。次にすることはもっと強い薬を投与することです。そしてさらに細胞は深く傷つけられていきます。

ステロイド治療に代表される医学の治療は、医師の受け持ちの部分に回復を与えるためには、他の部分を傷つけるようなどんなことをしても良いと言う、医学の部分主義に陥った稚拙な考えを感じます。

医学では「病気は遺伝子によって作られ、それを治すのは薬だ」と言いますが、これも医学のおごりです。日頃から栄養素を十分に摂れば、薬の要らない身体が出来ます。

日本では誰もが、「食」が原因で病気になると考えてはいなません。

日本の食材が以前のものと違ってしまったかを深刻な問題と考えようとしません。そして砂糖による甘い味わいが、かつての日本に存在しなかった異常なものであることを認識していません。料理に大量の砂糖を加えなければいけない理由はありません。

おいしさには真実のおいしさと偽りのおいしさがあります。

真実のおいしさを知ってもらうために「ごはんとおかずのルネサンス」という本を書きました。この本の料理を作ったその日から、食べることが嫌いな子や、野菜や味噌汁の嫌いな子が一生懸命に食べ出したのです。

今までに与え続けていた食べ物が、子供たちの望んでいない生命の摂理に反した食材や料理だったのです。細胞が求めている幅広い栄養素を十分に含んだ、本当のおいしさを持った食べ物、料理は確実に子供たちの食べる事への渇望とエネルギーを揺り動かします。

現在に蔓延する様々な病気は、ひとつひとつを個別のものとして見ても真の病の原因を見つけることは出来ません。様々な現象を有機的に全体的に見なければいけません。それによってのみ、真の状況が明らかになってきます。

私は戦後の第一波のベビーブームの子供です。一学年が約500人で、今では信じられないほどの生徒数でした。でも登校拒否なんて耳にしたことはありませんでした。40分の授業が続けられなくて寝込んでしまう子は1人も居ませんでした。食べることが苦手な子は、少し居たとしても本当に少なかったと思います。あの頃は花粉症もアトピーもありませんでした。