腸カンジダ症のための食事

カンジダ(主にカンジダアルビカンス)は、人体に常在する真菌です。一般の健常者では特に問題になることはありません。現代で問題になっているのは、抗生物質の使用や、糖質過食などを契機とする腸カンジダ症です。腸カンジダ症では、強い倦怠感やうつなどに繋がります。

カンジダはカビの一種です。身の回りでカビを見かけるのは、食パン、果物、壁、お風呂場などです。カビは有機物から無機物まであらゆるものを栄養にすることが出来ます。壁やお風呂に繁殖するカビは、無機物を栄養にしていますが、人体に繁殖するカビは糖質を栄養にしています。

つまり糖質制限が「カンジダ症のための食事」の基本になります。

摂取した栄養素のすべてが小腸で吸収されてしまって、大腸に到達するのは食物繊維だけになるのではありません。摂取した栄養素の何パーセントかは、小腸で吸収出来ずに大腸に到達します。糖質を大量に摂取すれば、大腸に到達する糖質量が増えるために、それがカンジダの滋養となり繁殖させてしまいます。

一方で、極端な糖質制限は勧めていません。人間は無意識の糖質欲求があるために、リバウンドを起こして糖質の摂取で糖質酔いになったり、そこからまた糖質オフにするとketo fluになります。食欲には勝てません。この状態を繰り返すと、低栄養性脂肪肝になります。また成長期のインスリンは成長ホルモンとして働くので、成長期の極端な糖質制限は、成長抑制に繋がる可能性があります。

糖質制限は食事療法の基本ですが、当院では一般的にはロカボを勧めています。

特にカンジダに対して避けるべき糖質は、カビの生えやすい食べ物を避けることが基本です。

カビの仲間であるカンジダは、カビが生えやすい食べ物に含まれる糖質によって栄養を得るからです。

■避けるべき食材が、砂糖を含む食品、パンなどの小麦製品、アルコール、加工食品(少量の糖質が含まれています)です。

□積極的に食べる食材は、低糖質野菜、肉、魚、卵、ナッツです。

△ほどほどに食べる食材が、果物、グルテンフリーの穀物(米、玄米など)、高糖質野菜です。

抗カンジダ作用のある食材を、日常の食事に取り入れる方法があります。

リンゴ酢、ココナッツオイル、MCTオイル、グレープシードオイル、ニンニク、ステビア、ケフィア、無糖のクランベリージュース、亜麻仁やチアシードなどのゴマ、ポウダルコなどのハーブティー、梅肉エキス、梅干し、生姜、わさび、オレガノ、オレガノオイル、ローズマリー、クローブ、クローブオイル、シナモン、ゴールデンシール、オリーブの葉、ニーム、エキナセア、ブラックウォールナッツ、ホロピト、ワームウッド、ウワウルシなどです。