帝銀事件と狂犬病ワクチン
平成、令和の時代になって、帝銀事件(ていぎんじけん)のことを知っている方は少ないと思います。この事件は、1948年(昭和23年)1月26日に東京都豊島区長崎の帝国銀行(後の三井銀行。現在の三井住友銀行)椎名町支店(1950年に統合閉鎖され現存しない)に現れた男が、行員らを騙して12名を毒殺し、現金と小切手を奪った銀行強盗殺人事件です。犯人として画家の平沢貞通が逮捕され死刑判決を受けましたが、平沢氏は獄中で無実を主張して、刑の執行がなされぬまま1987年(昭和62年)に95歳で獄死しました。小説、映画、ドラマと数多く取り上げられ、様々な原因が議論されて来ましたが未だに多くの謎が解明されていません。白木博次先生の「冒される日本人の脳」に真相が書かれています。平沢氏は34歳の時に妻が自宅の犬に噛まれたため、飛沫感染を恐れて狂犬病ワクチンの予防接種を18回受けました。ワクチン接種後、足の疲れ、しびれが出現して、妻を識別できない言動がありましたが、翌日にはその記憶がありませんでした。18回接種終了後に、寝込んでしまい、その後運動麻痺が上行して、上肢がほとんど動かなくなり、寝返りも出来ず、首も回らず、尿便失禁があり、一時は視力を完全に消失しました。またその頃から、嗜眠傾向、周囲の人と家族を区別できない、会話がまとまらない、内容にも矛盾が多くなってきました。(意識障害、見当識障害)発病して、17日頃から意識が次第に鮮明になってきましたが、発病当時のことは思い出せませんでした。(逆行性健忘)発病後、1ヶ月経った頃から、「3人組が屋根を壊すのが見える」、指に棘が刺さっていると言って、血が出るまで指をほじくる、「山奥で仙人に合った」など言い出しました。これらの症状はコルサコフ症候群と言われる失見当識、記銘力障害、健忘、作話を主症状とする症候群で、アルコール依存症の経過中にビタミンB1欠乏によって一過性に出現することがある症候群です。狂犬病ワクチンの後遺症で、コルサコフ症候群が出現して、そのまま固定化した症例があり、さらに性格変化や精神障害を伴う例外例があることが報告されています。平沢氏のワクチン接種後の性格変化を示す証拠として、帝銀事件を起こす前に、放火事件と叔父への放火責任の転嫁、血液循環療法と宣伝事件、辻強盗改心事件などの数多くの意味不明な騒動を起こしています。これはコルサコフ症候群が固定化した性格変化で、虚言癖、大言癖、欺瞞癖、空想壁、知・情・意の統一性・調和性の障害として説明することが可能です。ワクチン接種後の平沢氏の性格変化を、妻は「夫は病前のデリカシーを失ってしまった。家庭のことをあまり心配しなくなった。極端に迷信的になった。人に対する好悪感が偏るようになり、それに固執するようになった」と言い、次女は「観念固執症」だと言い、親戚は「薄気味悪く、キツネを馬に乗せたような感じ(落ち着きがなく、いい加減で信用出来ないという意味)で、危ういという印象が強かった」と述べています。春原医師は、狂犬病ワクチン後の性格変化32例と比較して、平沢氏の性格変化を中等度と分類しています。狂犬病ワクチン後の性格変化としては、人格のまとまりが無くなり、人格水準の低下が全例に欠くことがないと述べられています。また中核症状として空想的虚言症を上げられています。狂犬病は発病すると死亡率がほぼ100%と言われていますので、発病を防ぐためにワクチンを接種することが必ず推奨されます。この本の内容からは、ワクチンに含まれた成分が中枢神経の高次脳機能に障害をもたらしたことが推測されます。狂犬病ウイルスは神経指向性RNAウイルスなので、弱毒化したはずのウイルスが中枢神経を侵したと推測しています。当時の狂犬病ワクチンの副作用はかなりのもので、副作用に耐えられず自殺する人もいるので、犬に噛まれて発病の恐怖に耐えられない人、死の恐怖におびえる人にのみ使用されました。つまり、犬に噛まれても発病率は100%ではないので、ワクチンの副作用を考慮して接種しない人がいたという意味です。ところで、新型コロナワクチンもRNAワクチンであり、血管指向性でACE2受容体を介して、血栓や出血などの副作用が問題になっており、インフルエンザワクチンの50倍以上の接種後の死亡率となっています。感染発症率は、日本では年間100人に1人、重症化率は6000人に1人、死亡率は1万人に1人です。ワクチンが有効なのは、この各々1名に対しての話です。狂犬病ウイルスと違って、新型コロナウイルスは感染率と死亡率に100倍の開きがあることが大きな相違点です。