医者も知らないホルモンバランス
ジョン・R・リー博士の「医者も知らないホルモンバランス」を読みました。
エストロゲンは心臓病からアルツハイマー病まですべての病気を治すと女性達を信じ込ませるため、宣伝と研究に巨額のお金が使われているが、これを裏付ける証拠は少なく、逆にこの種の人工合成ホルモンは毒性が強く、がんのリスクも増やすという証拠が上がっている。
中年以上の女性の多くが、運動不足、貧弱な食事、避妊用ピル、エストロゲン補充療法、環境エストロゲン(環境ホルモン)が原因でエストロゲン過剰症状に苦しんでいる。これらの多くは、運動して食事を健全にするだけで症状がなくなる。それ以外の女性も、ハーブ、ビタミン、ミネラルを補えば救われ、それでもダメな女性は天然プロゲステロンクリームを使えば大丈夫である。
プロゲステロンは受胎と妊娠のためのホルモンである。
自然界のものとは違う人工合成ホルモンは、天然ホルモンに比べて製薬会社の儲けが大きい。理由は、天然の物質では特許が取れず、人工合成品であれば特許が取れるからだ。人工ホルモンは天然ホルモンに比べて効果の及ぶ範囲が狭く、安全では無い。天然プロゲステロンに関する研究は、過去にほとんど実施されていない。科学研究の道も、産業界の利益で左右される。
ほとんどの医者は時間的余裕が無いので、製薬会社の営業マンが持ってくる情報を鵜呑みにする。天然と人工のプロゲステロンを同じものだと考えている。天然のプロゲステロンは生理的な量で使えば副作用がないが、人工のプロゲステロンは多くの副作用がある。
天然のプロゲステロンは容易に人体から排泄できるが、人工のプロゲステロンのプロゲスチン薬は、長く作用して副作用を起こす。
事実、更年期の女性はエストロゲンが減るが、それですべての女性に症状が出るわけではない。途上国の女性には更年期症状は発生しない。
5000種類以上の植物はプロゲステロンに似た作用を持つ植物ステロールを持っているが、途上国の人はこのような植物ステロールを十分に食べているのでプロゲステロンが不足することは稀である。
一方で先進国の人達は、このような植物ステロールの摂取が少ない上に、環境エストロゲンに曝されるためにエストロゲンの過剰状態になっている。
エストロゲン不足で更年期症状が出るというのは、医学界に蔓延する神話です。更年期にエストロゲンが減少する量は、40〜60%であるが、プロゲステロンはほとんどゼロになる。
骨粗鬆症の誤解として、①カルシウム不足、②エストロゲン不足、③閉経期の病気がある。
貧弱な食事からでもカルシウムは十分に摂ることが出来る。骨粗鬆症の真相は、さまざまな理由からカルシウムが過剰に失われることだ。骨にカルシウムが定着する以上に失われている。これはどれだけカルシウムを摂取しても同じで、カルシウムの摂取量と関係がない。
現代食ではリンが過剰、マグネシウムが不足になるが、リンが過剰になるとミネラルのバランスが崩れて、骨からカルシウムが失われる。またマグネシウムが不足すると、骨を作るのにカルシウムが使えないため、カルシウムが身体の他の組織に定着してしまう。(骨粗鬆症の栄養療法)
骨粗鬆症はエストロゲンが減少するずっと前から始まり、閉経時に急速に進む。この時期にエストロゲンを補えば、「遅くする」ことは出来るが、閉経後数年経つと、エストロゲンの効果は無くなる。エストロゲンに新しい骨を作る作用はない。
骨粗鬆症は、閉経の5年から20年前から始まる。
新しい骨を作るのは天然プロゲステロンであり、これなしでは骨粗鬆症の予防は出来ない。
通常のホルモン補充療法では過剰なエストロゲンとプロゲステロンを使うため、心臓病に対してリスクがある。肥満や高インスリン値も心臓病へのリスクがある。やはり良い栄養や運動が予防のために欠かせない。
エストロゲンのがん促進作用を抑制する点において、天然プロゲステロンはもっと注目され、利用されるべきだ。