PMS対策の応用

2021年11月11日

PMS対策の基礎に続いて、応用についての記事です。

1.グルテンフリー・カゼインフリー

小麦製品に含まれるグルテン、乳製品に含まれるカゼインは、完全に消化できる人はいませんので、遅延型食物アレルギー、リーキーガット、自己免疫疾患などの炎症に繋がります。

遅延型食物アレルギーは用量依存性に発症してきますので、極少量であれば問題がない人がほとんどです。

醤油などに含まれる少量のグルテン、カゼインをほとんど含まないホエイプロテイン、バターなどは、大抵の方は問題ありません。

2.糖質制限、高タンパク食

パン、白米、麺、お菓子、ジュースなどの精製糖質は血糖値スパイクを起こして身体にダメージを与えますので、玄米、そば、果物、根菜などの複合炭水化物で糖質をある程度摂取するようにします。リバウンドなく糖質制限を継続するためにも、現代食で起こる低タンパクを防ぐためにも、高タンパク食を摂ります。

また、炎症の原因となる植物油などに含まれる多価不飽和脂肪酸を出来るだけ減らすことも大事です。

3.不足しているビタミン、ミネラルの補給

エストロゲン過剰で不足するのは、亜鉛、マグネシウム、ビタミンB群です。

これらを食事やサプリなどで補給します。

4.天然プロゲステロンクリーム

唾液検査での結果や基礎体温表で高温期が10日以下で短い場合には、プロゲステロンの分泌が不十分であると考えられます。この場合には天然のプロゲステロンクリームを使う方法があります。

PMSに対しては、高温期に合わせて皮膚に塗ります。

肌に炎症や赤みが生じた際には使用を中止します。妊娠中や授乳中は使用出来ません。

詳しい使い方は、リー博士の『天然ホルモン実用ガイド―天然のプロゲステロンが女性の健康を守る!』を参照してください。

5.チェストベリー

チェストベリー(チェストツリー、セイヨウニンジンボク)は、古代エジプト、ギリシャで2500年以上前から使われているハーブです。

月経前緊張症に対する8件のランダム化比較試験での有効性と安全性が総括されています。(2017年、Cerqueriaら

ドイツではPMSの治療薬として許可されています。

月経前に乳汁分泌ホルモンのプロラクチンが過剰となり乳房痛が起こることがあります。チェストベリーはドーパミンアゴニストを阻害することによって、プロラクチン過剰を軽減してPMSの乳房痛に効くことが報告されています。また植物性のエストロゲンおよびプロゲステロン作用を持つことも報告されています。(2018年、Niroumandら)

これらのメカニズムから妊娠中、授乳中は禁忌とされています。

基本的には成人用ですが、月経開始から5日間は服用を中止すること、6ヶ月以上は飲まないようにします。

下垂体が最もよく反応する朝食前のタイミングで服用するのがおすすめです。

6.セント・ジョーンズ・ワート (St. John’s wort)

セント・ジョーンズ・ワートは、古代ギリシャ時代から使われているハーブです。

うつや不安に対して使われており、ドイツでは抗うつ剤として非常によく使われています。

PMSに対する有効性が報告されています。(2006年のCanningら2006年のWhelanら

作用機序としては抗うつ剤のSSRIと同様のセロトニンの取り込み阻害に加えて、ドーパミン、ノルアドレナリン、γ-アミノ酪酸(GABA)、グルタミン酸の取り込みを阻害することが報告されています。(2003年、Butterweck

7.イチョウ葉エキス(Ginkgo biloba extract)

イチョウの木は、世界でも最も古い種類の木の一つであり、中国伝統医学として長い歴史があります。王宮では、老化防止のためにイチョウの実が利用されていました。イチョウはほかにも歴史的に、喘息、気管支炎、腎臓や膀胱の障害で利用されていました。

PMSに対する有効性が報告されています。(2006年のCanningら

アルツハイマー病に対する効果が期待されていますが、イチョウ葉エキスのアルツハイマー病患者に対して行った6件の治験では一致した結果は得られませんでした。(2010年、Janβenら)

イチョウ葉テルペンラクトンが血小板凝集抑制作用を持ち、血流を改善します。(1998年、Akibaら)このため出血傾向が問題になるケース(抗凝固剤との併用、手術)では注意が必要です。