不安と脳内ネットワーク

2022年2月16日

不安症の方は、普段からのんびりすることが苦手です。ぼんやりした時に活性化するデフォルトモードネットワークに問題があります。

2017年、Balderstonらは健常者と不安症の患者を対象として、電気ショックを与える「刺激」と与えない「安全」な状態を実験的に作り出して、fMRIで脳内ネットワークを調べました。

不安症の方は、刺激に対応するセントラルエグゼクティブネットワーク(CEN)のあるDLPFCの活性化が少ないこと、デフォルトモードネットワーク(DMN)の領域である腹内側前頭前野および後帯状皮質において、タスク負荷に関連する非活性化(task induced deactivation、TID)が少ないことを報告しました。最も重要なことは、これらの影響が刺激によって調整されなかったこと、DMNのTIDが起きなかったことです。これはぼんやりすることが苦手という意味です。

CENとDMNはシーソーの関係で、オンオフされます。健常者では刺激に対して、DMNがオフとなりますが、不安症ではDMNがオフになりにくくなり、TIDが小さくなります。

脳波にて開眼したときにalpha waveが抑制されるalpha blockingは、DMNで外からの刺激に対して抑制されるTID(Task induced deactivation)と同じ現象であると考えています。(2011年、Knyazevら

重度の不安症の人の定量脳波では、開眼時にalpha blockingが不十分となります。

これを定量脳波で解析すると赤の矢印のようになります。健常対象者のデータと比較して有意にα波が出ています。

生理学で言えば、戦う(FIGHT)、逃げる(FLIGHT)ではなくて、凍り付く(FREEZE)状態です。

ポリベーガル理論で言えば、Tonic immobilityの状態で、交感神経と背側迷走神経が優位となり、腹側迷走神経がオフになっています。

治療はリラックス系の治療が推奨されています。瞑想、半身浴、アロマセラピー、タッチセラピー、瞑想系のニューロフィードバックなどがあります。

重度の方は、24時間凍り付きに近い状態なので、常日頃からゆったりとした治療的な生活を送ることが大事です。