新型コロナ後遺症、ワクチン後遺症とカルニチン
まとめ:新型コロナ後遺症もワクチン後遺症も、病態としてはME/CSFとなります。この倦怠感に対してカルニチンが有効である可能性があります。
カルニチンが新型コロナに対して有効であり(2022年、Vaziri-Haramiら)、血中のカルニチンレベルが高いと新型コロナの重症化を防ぐことが報告されています。(2021年、Kazmiら )
L-カルニチンの補給が、げっ歯類およびヒトにおける運動誘発性炎症後のSARS-CoV-2受容体ACE2およびウイルス侵入に必要なプロテアーゼ(TMPRSS2およびフーリン)の発現を低下させて、ACE2をダウンレギュレートすることが報告されています。(2021, Bellamine)
■カルニチンはミトコンドリアへの脂肪酸の輸送を担い、ATP産生のための要です。
カルニチンは脂肪酸(長鎖脂肪酸)をミトコンドリア内に輸送します。またミトコンドリア内に余った有害な脂肪酸(アシルCoA)をミトコンドリア外に輸送します。この動きはカルニチンシャトルと呼ばれています。
長鎖脂肪酸からは、β酸化されて大量ATPを作ることが出来ます。
ミトコンドリアへの脂肪酸の運搬(カルニチンシャトル)を行なって、脂肪酸の分解(β酸化)を促進します。
■カルニチンは種々の病態の倦怠感に有効性が報告されています。
うつ病(2004年、Curucianiら)、慢性疲労症候群(1997年、Pyoprisら)、高齢者(2008年、Malaguauneraら)においける倦怠感への有効性が報告されています。
一方で、多発性硬化症(2012年、Tejaniら)、癌(2017年、Marksら)の倦怠感に対しては効果が不十分であったと報告されています。
■カルニチンの摂取には、普段から赤肉をよく食べることが大事です。
自分で合成するためには、植物性ではなく、ホエイプロテインなどの動物性タンパク質を摂ることが重要です。