亜鉛と銅
亜鉛と銅は、周期表で見ると横並びの関係です。
オリゴスキャンでの亜鉛と銅は、強い正の相関関係(相関係数0.92)があります。
一方で、血清亜鉛と血清銅は、「負の相関関係または相関なし」であることが報告されています。(2012年の坂田ら、2020年の溜井ら、2013年のShahidSarwarら)
また亜鉛投与群においてのみ、血清亜鉛と血清銅が負の相関関係にあり、血清亜鉛変化量と血清銅変化量が負の相関傾向にあることが報告されています。(2020年の溜井ら)
メタロチオネインは、①必須ミネラルの維持と有害ミネラルの解毒、および②抗酸化物質としての作用を持つタンパク質です。結合力は水銀>カドミウム>銅>亜鉛の順番です。この順番は、金属のヒトに対する毒性であり、逆に言えばその金属の必要量に反比例しています。
亜鉛を投与すると、メタロチオネインが誘導されますが、結合力の差から銅がよりデトックスされて、「亜鉛投与群においてのみ、血清亜鉛と血清銅が負の相関関係にあり、血清亜鉛変化量と血清銅変化量が負の相関傾向」となります。
血清亜鉛値は、全身の亜鉛を反映するパラメーターではないことが知られています。(2012年の坂田ら、2007年の池田ら)
亜鉛は主に筋肉や骨に分布しており、血液中には全体量の0.1%しか存在していません。
銅も主に筋肉や骨に分布しており、血液中には全体量の6%しか存在していません。
亜鉛と銅は、血液検査とオリゴスキャンと両方を見る方がよくわかります。
オリゴスキャンで見ると、極端な亜鉛欠乏が改善出来ない人がおられます。
オリゴスキャンの相関関係で見ると、亜鉛と正の相関関係は以下です。
銅>>パナジウム>コバルト>モリブデン>マンガン>鉄
極端な亜鉛欠乏に対して、亜鉛と同時に銅などを補給する方法があります。
銅は、食べ物では牡蠣、肉、魚、ココアに多く含まれています。