チャンピックスとうつ病
まとめ:禁煙はうつ病のリスクになりますが、薬剤誘発性の精神症状にも注意が必要です。
うつ病の報告が最も多い上位5つの内服薬は、禁煙薬のバレニクリン(チャンピックス、現在出荷停止)、ブプロピオン(抗うつ剤、禁煙補助薬、日本未承認)、パロキセチン(抗うつ剤、選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、イソトレチノイン(にきび治療薬、日本未承認)、リモナバント(減量薬、カンナビノイド拮抗薬、製造中止)の順番です。(2014年、Thomasら)
注射薬では、インターフェロンが副作用としてのうつ病の発生率が25%と高いことが知られています。(2012年、Udinaら)
禁煙することがうつ病のリスクになることが総括されています。(1990年、Grassmanら)
喫煙とうつ・不安が関連が報告されていますが、原因か結果か両方の報告があります。(2016年、Furhaltyら)
バレニクリン(チャンピックス)そのものは、ヒト(2009年、Pattersonら)でも動物実験(2009年、Rollemaら)でも気分および認知機能を改善することが報告されていることから、ニコチン退薬症候群によるうつ病の発症が主たるリスク要因であることが指摘されています。(秋元)
バレニクリン(チャンピックス)はドーパミン系を賦活する作用がありますので、うつ病以外の精神症状、異常行動の副作用の報告もあります。