インスリンとIGF
肥満ホルモンと呼ばれるインスリンは、身体を作る同化作用を持ちますが、主に糖質から、グリコーゲンや脂肪合成を行います。
痩せホルモンと呼ばれるグルカゴンは、身体を壊す異化作用を持ちますが、インスリンと真逆で、主にグリコーゲンと脂肪の分解、タンパク質を分解して糖質やケトン体を生成します。
インスリン様成長因子(Insulin-like growth factor、IGF)は、インスリンに類似した分子構造(20%の相同)を持つホルモンです。小児の骨格成長に重要な役割を果たし、成人においても同化作用を有します。
インスリン様成長因子(IGF-1)は主に肝臓で成長ホルモン(GH)による刺激の結果として分泌されます。
成長ホルモンの成長作用は、インスリン様成長因子1(IGF-1)を介して、骨と筋肉に作用して起こります。
インスリンとIGFは全く独立した関係ではなく、重複・連携しており、インスリン/インスリン様成長因子(IGF)システムまたはファミリー(2012年、Pollakら)と呼ばれ、エネルギー代謝、細胞成長、癌化を調節(2006年、Renehanら)、老化と長寿(2009年、Broughtonら)に関係する多因子シグナル伝達ネットワーク(2001年、Nakaeら)として働きます。