IFSのカップルセラピー

Internal Family Systems Couple Therapy Skills Manual: Healing Relationships with Intimacy From the Inside Outの内容の一部を抜粋します。

前向きなコミュニケーションのためのロードマップ

ステップ1:カップルの話を傾聴して、サイクル(カップルの同じ失敗の繰り返しパターン)を見極めます。二人のこの難しいサイクルの問題について、違った意見や見方で話すようにカップルを促します。(例:「私にお手伝いさせてもらえませんか?」)

ステップ2:セラピストが、カップルのパーツ検出器になることを、あらかじめ約束しておきます。(例:「私はあなたを助けるためにここにいるので、パーツに圧倒され始めたら、対話のペースを落としたり、止めたりします」)。

ステップ3:カップルに、どちらが先に話し、どちらが先に聞くかについて交渉するよう促します。

ステップ4:聞き手が、知りたくないかもしれないパーツの存在に気づいてしまうことに対して準備をします。聞き手に、呼吸を整え、自分の心に気づくように促します。聞き手がパーツにブレンドされないセルフの状態になって、感情に圧倒されないように促します。

ステップ5:話し手が、自分のパーツとのブレンドを解除して、セルフの状態で話すことができるように促します。それぞれのパートナーが自分のセルフとパーツと良い関係を保つように励まします。(例:「あなたの身体で何に気づきましたか?) セラピストは、話の内容にとらわれたり、解決策を見つける手助けをしたりしないようにします。一人のパートナーに、もう一人のパートナーがブレンド解除して自分のパーツを代弁するのを助ける間、待ってもらう必要があるかもしれません。(例:「このパーツは、ブレンド解除して代弁させたらどうなると心配しているのでしょうか?) 両パートナーのパーツの経験や感情を常に承認します。保護者に対しては、常に友好的に向き合います。

ステップ6:無理がなければ、話し手が傷つきやすい感情や幼少期のトラウマを扱う方向に促します。(例:「この感情は馴染みのあるものでしょうか?子供の頃を思い出させるようなことが起きていませんか」)

ステップ7:聞き手が共感(セルフの慈愛の心)をもって心から反応するのを助けます。どのパーツも放置したままにしてはいけません。聞き手に使う質問や依頼には、次のようなものがあります。"今聞いた話の本当の意味は何ですか?" 、"この話のどれかが、あなたにとって意味をなすのでしょうか?"、"あなたの心は何と言っていますか?"

聞き手が話し手に共感しない場合、セラピストが自分から共感を示します。共感的な発言の例としては、以下のようなものがあります。"私が今聞いた話のエッセンス(本質)は…" 、"私がしっくりくることは…"などです。

クライアントの自己開示に、理解、ミラーリング、承認で応えることが重要です。そうでなければ、深い恥の反応が続くでしょうし、おそらくパーツによる保護的な防衛反応が起こるでしょう (Siegel、2003年)。

ステップ8:話し手が聞き手(またはあなた)から共感的(セルフの慈愛の心)な反応を受け取ったら、聞き手に内面に注意を払うように頼みます。(例:「あなたの身体で今、何に気づきましたか?)

ステップ9:話し手に戻って確認する。彼らはその聞き手の反応を受け取りましたか? それは影響を与えましたか? 話しかけられたパーツは理解されたと感じますか? これ以上言うことはないでしょうか?話し手は、もうこれ以上付け加えることはないと感じるかもしれませんし、返事をするように動かされると感じるかもしれません。

ステップ10:時間があれば、聞き手と話し手の役割を交代してもらいます。交代するとき、必要に応じて、聞き手と話し手のそれぞれの仕事について、カップルに思い出させてください。両方のパートナーの準備ができたら、先ほど聞いていた人に、自分のパーツについて話してもらいます。