新型コロナとホモシステイン

まとめ:新型コロナウイルス感染症の重症化には、血清ホモシステインレベルの上昇が関係しています。

新型コロナウイルス感染症は、メチレーション回路を介して合併症を悪化させることが指摘されています。(2020年、Singhら

新型コロナウイルスは、持続的な血栓形成促進状態を特徴とします。ホモシステインは血栓性疾患の潜在的なバイオマーカーであるため、ホモシステインレベルの増加は、新型コロナウイルス患者の予後のリスクを予測するための有用なマーカーであることが総括されています。(2022年、Carpeneら

新型コロナウイルス感染症患者313人の転帰と血清ホモシステインレベルを比較して、血清ホモシステインレベルがレベル16μmol/L以上であれば転帰が悪化すると判断するカットオフ値であることを報告しました。またホモシステインレベルを下げるために、ビタミンB2、B3、B6、B9、B12、葉酸が有効であることを指摘しました。(2021年、Pontiら

入院レベルの新型コロナ感染症患者の重症度と血清ホモシステインが相関することが報告されています。(2022年、Keskinら

ロングコッビトでは、メチル基の需要の増加を誘発すると同時に、ウイルスによって誘発される酸化ストレスのためにメチル基の供給を損なうことを示しました。治療的には、メチレーション回路を構成するメチオニン、セリン、グリシン、葉酸、VB12、グルタチオン(システイン、グリシン、グルタミン酸)の補給の重要性を指摘しました。(2021, McCaddon)